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StudentsⅡ  作者: OKA
11/14

二つの白衣


休憩室には俺と同じ白衣ふくを着た男


脚を組み、飲みかけのコーヒーをゆっくりと飲み干していく


混ざりのない、黒い水面ひょうめん


そこに映る俺を確認すると、微笑し、男は一気にコーヒーを飲み干した





















「…君主、帰ってくるのが遅かったな…。」

「…あぁ、寄り道をしてて、ちょっとな…。」

「煙草を吸うんなら屋上でしてこいよ…。

 俺たちしかいないといってもここは…病院、だからな…。」

「…いいや、煙草はもう大丈夫だ。

 俺もコーヒー、れてくれるか…?」

「……………、…ふふっ。

 あいにくミルクとシロップは切れているが、…それでもいいか?」

「…ああ。

 試してみるよ…。」











「だからバレンタインは地獄だったな~。なんでチョコとかクッキーなんだろうな?」

「…それは自慢か、って…、まさか最初から休憩室ここにミルクとシロップは置いてなかったのか!?」

「…だって、休憩室ここでブラック飲むの俺ぐらいしかいないんだよ!!!

 だから俺は高校しょくばからコーヒーミルを持ってきて、お店さながらの味をだね………」

「はぁ…。病院こっちを手伝ってくれるのはありがたいんだけど、さすがになぁ………。

 せめて、ミルクとシロップを置いておけば、需要が増えるんじゃないか?

 コーヒーミルに中身を入れておいても、湿気る一方だもんなぁ………」

「……………、君主、ありがとな…。」

「………、どうした急にあらたまって?

 俺は飲ませてもらってる側なんだからべつに………」











「俺は好きだぜ。…お前のそういうところ」

「………、…?」

「昔から俺が抑揚する時は、悲しいときだ…。

 さっき俺がコーヒーを飲んでいる時に、俺はそこに映る自分おれと君主を見て気づいた…」

「………。」

「…笑わないと。自分も…、君主おまえも、もっと悲しくなってしまう…。

 …だから………、俺は…」

「…、………。」











「…白鳥かのじょと、…もう1人、時見かれがいる…。

 他の子たちには、まだこの結果は伝えていない………」

「………、…ああ。」

「俺が2人に声を掛けても、…ダメなんだ。

 …でも、君主おまえなら…、必ず………」

「なぁ、島田…。」

「…、…?」

「…落ち着いたら、…みんなが笑えるようになったら………、

 …一緒にミルクコーヒー、飲もうな…。

















俺は立ち上がり、病室に向かう

空っぽの紙コップを強く握り締め、かれは俺に言ってくれた

そして、俺は胸元の黒いみを、力強く、舐めた

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