残酷な世界
神様は願いを叶えてくれなかった。
だから俺はこうして漆黒の空を翔る星に願いをかける…。
今日も綺麗な夜空…だ。
……………………。
……………………。
……………………。
やっぱり今日も叶わなかった。
流れ星が消える間に三回願い事をすれば願いが叶う…。
…ふふっ。
神だけでなく星までもが俺を拒むのか…。
なんて残酷なんだろうな。
…この世界は。
死なせてください。
死なせてください。
死なせてください。
毎日迷惑かけて悪いな。
やめようと思っているんだが、なかなか煙草はやめられないんだ…。
白衣が汚れでもしたら大変なのにな…。
よかったら、お前も吸ってみるか…?
…ははっ、…だよな。
お前は煙草が嫌いなんだよな…。
実は俺が煙草を好きな理由は二つあるんだ。
一つは、お前が嫌がる顔を見れるような気がするから…。
もう一つは、お前が嫌がる声が聞こえるような気がするから…。
え?二つとも嫌がらせじゃないかだって?
…ああ。
お前から見える俺はそうなのかもしれないな…。
何で俺は生きているんだろうな…。
なあ、…教えてくれ。
お前は隣にいるんだよな?
ずっと、ずっと、ずっと…。
俺が見えていないだけなんだよな?
見えていないだけ…なんだよな………。
そろそろ時間だ…。
もう行かないといけない。
またお前に会える時を楽しみにしてるからな…。
…、語弊だ。…許してくれ。
お前との約束。
そのために俺は、俺たちは…、今、……………。
………………………………………………。
白衣の男が目を覚ましたそこには、目を覚まさない少女がベッドに眠っていた。
「…君主、起きたか。」
「…、園歌ちゃんの様態は?」
「………。」
「…っ、もう限界だな…。」
「君主!!!おまえ本気でそんなこと言ってるのか!!!!!」
「…ああ。」
「テメェ寝言も大概にしろよっ!!!!!
お前がそんなんじゃ…、駄目なんだよぉ………、…。」
「……………。」
「お前、連日で寝不足だろ君主…。
久々に家に帰ってゆっくり休んでこい…。」
「…島田、お前はどうするんだ」
「俺はあと数日間は白鳥の側で様態を見守る…。」
「…無理するなよ。」
「お前も早くその目の下の隈を直してこい。」
「…」
白衣を脱ぎ、病院から出たその男が見た世界には
神も星もなく
ただ美しい海と空が映るのだった
前作「Students」の続編となっております。
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