親バエの影、魔王の咆哮
第48話です。
宜しくお願いします。
――地下帝国サブマリア。
崩れた天井から落ちる砂粒だけが、わずかに時間の流れを示していた。
「バ、バルド様!! し、侵入者です!!」
慌てふためいた純血騎士団員が、巨大な岩柱にもたれかかる男へと駆け寄る。
バルド=カイゼル。
純血騎士団第八席。
全身から発せられる獣じみた威圧と、狂った笑みを纏う男。
バルドは椅子代わりにしていた地中族の老人を蹴飛ばしながら、嬉しそうに口元を歪めた。
「……へぇ。
ついに来たか、“噂の魔王様”ってわけだ。」
その声は、待っていた獲物がついに眼前へ現れた狩人のような高揚感に満ちていた。
「腕が鳴るってもんだぜぇ〜!」
マランの眼が静かに、深く沈む。
そして――バルドが姿を現した。
ドス黒い狂気を帯びた笑みが、広間の空気をねじ曲げる。
「なんでゴミ共の希望の星とやらが、こんなところにいるんだ〜?」
その声音は、心の底から他者を見下し、踏みにじる者だけが持つ“悪意の色”だった。
バルドは続けた。
「さては地中族が助けを求めたのか?
みっともねぇ……!!
他種族に頼るとか、ゴミがゴミ袋の場所を間違えてんじゃねぇかよッ!」
ジバンが震える。
マランの拳が、わずかに震えた。
「……何故お前達はそこまで傲慢になれる。」
マランは静かに、しかし確かな怒りを込めて言う。
「何故お前達はそこまで非道なことを平然と出来るんだ……?」
バルドは腹を抱えて笑い転げた。
「なになに〜?
ゴミに情が湧いた?
ゴミを愛す?
ははは! お前ら“劣等種族”はほんっと滑稽だなぁ!」
その言葉は、サブマリアの住民たちを何度も踏みつけてきた“暴力そのもの”だった。
「俺達は何も間違っちゃいねぇ!
ゴミはゴミ箱に捨てるだけ……!
ただそれだけなんだよォ!」
――限界だった。
マランの眼から、闇が広がった。
影が震え、怒りが熱へと変わる。
「……そうか。
もう何を言っても無駄らしいな。」
マランは深く息を吸い、仲間たちへと命じた。
「キラ、メリーナ――周辺のウジ虫を一匹残らず倒せ!」
「了解です。」
「了解だァ!」
キラの表情は穏やかな笑みのまま、瞳だけが獣の如く光り、背後に無数の刃が生まれる。
メリーナは拳を鳴らし、血の匂いを欲しがるように笑った。
「ザナド。……傷ついている地中族の治療をしてやれ!」
「はい……! お任せください!」
ザナドはすでに走り出し、倒れている地中族たちへと向かう。
「アークレイド。
未だ行方の分からぬジヌシ王の保護を頼む。」
「……承知いたしました。」
空間が歪み、アークレイドの姿が消える。
そして――マランは、バルドへ向き直った。
「そして俺の相手はお前だ……“親バエ”。」
バルドは薄く笑い、胸に手を当て芝居がかった礼をする。
「ふッ。
ルークスを倒したとか言う実力……見せてもらおうか、“魔王”!」
――ドンッ!
地中全域に響くほどの衝撃が走り、
影と狂気が激突する。
ここでも話しましたが、私は転スラが好きです。
転スラの中で好きなキャラクターとかありますか?
私はディアブロが好きです。




