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この世界を壊します〜魔王に転生したので配下を揃えて国作りをします〜  作者: JUJU


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44/50

ネザリア、国らしくなる

第44話です。

宜しくお願いします。

――塔を破壊してから、三ヶ月。


ネザリアは、確かに変わり始めていた。


最初に作られた広場は今や市場となり、魔族たちの活気ある声が飛び交っている。

石畳の道が新しく敷かれ、街路灯にはエラルドが改良した“微光魔石”が埋め込まれ、夜でも明るい。


建物は高く、整然と並び……

まるで以前とは別世界だった。




「マラン様! 本日の交易、無事完了しました!」


息を切らせて報告にきたのは、商業部門長・スミレだ。


その後ろでは、外交官となったアークレイドが静かに頷いた。


「スミレの交渉は見事でした。精霊族側の要求もうまく呑ませていましたよ」


「えへへ〜。商業は勢いが大事だからね!」


スミレは胸を張る。


ここ最近、ネザリアは精霊族の森との交易で大きく発展していた。


大きな理由は――

近郊に巨大な鉱脈があったこと。


採れる魔石は質が高く、

特にエラルドが“魔晶極解”で加工した魔石は、精霊族の宮殿でも驚かれるほどの精度だった。


その見返りとして、精霊族からは食糧、農具、そして高度な農業技術が送られてくる。


今日も――


「マラン殿、今日は“風循環の魔道具”の使い方を教えに参った」


「うん! 今日はこれで畑を広げるんだ!」


ガラルとエミリアが、軽く手を振りながらやって来た。


街に足を踏み入れた瞬間、ガラルが柔らかく目を見開く。


「……三ヶ月で、ここまで発展したのか。驚いたよ」


「ほんとっ! ここもう国って感じ! 何だかワクワクするね〜!」


エミリアは興奮して走り回る。


ガラルは妹を軽く睨んで、「走り回るな」と小声で言ったが、エミリアは聞いていない。




――畑では。


マニアが真剣な顔で、魔道具のレバーを動かしていた。


「うん……こうかな?」


エミリアが横でアドバイスをする。


「そうそう! その角度で風魔法を流せば、土が柔らかくなるよ!」


「よっしゃあ! やった! マラン見て! アタシ畑の達人になりつつあるよ!」


マランは笑った。


三ヶ月前、泣きそうな顔で農具を握っていたマニアが、

今では完全に“農業部門長”の顔をしている。


畑には、精霊族から受け取った“成長促進魔道具”が並び、

作物は通常の何倍もの速度で育っていた。


「……すごいな。収穫まであと数日か」


「うん! これでネザリアのみんながお腹いっぱい食べられるよ!」


マニアの笑顔は明るかった。




――一方その頃、街の大通りでは。


「落ち着け。お前が悪い。いや、どっちも悪い」


レイノルドが、揉めている魔族たちを両手で制していた。


「俺は悪くねぇ! こいつが先に肩ぶつけてきたんだ!」


「そっちが道の真ん中に立ってたからだろ!」


「はいはい、どっちも一歩下がろう。深呼吸だ。な?」


レイノルドの押しつけがましくない柔らかな声に、

二人は気まずそうに目線を逸らす。


(……何だあの警察部門長、めちゃくちゃ優秀じゃないか)


マランはその光景を陰から見て、思わず苦笑した。


「争いの絶えない魔族相手に、よくああも落ち着いて対処できるな……」


精霊族のガラルも隣で頷いた。


「レイノルド殿は気質が向いている。あの包容力は大したものだ」




――さらにその横では。


「ほら。痛くない、痛くないですよ」


ザナドが怪我をした魔族の腕に優しく包帯を巻いている。


彼は“ネザリア病院”の院長として、町で起きた小さな怪我や病気をほぼ全て引き受けていた。


病院はジャックの建設スキル「形状変化シェイプチェンジ」によりわずか数日で形ができ、内部の資材もジャックが“物質変換”で揃えた。


ジャックは様々な物質を形状変化させる事が出来る。


例えば、木や石を先ずは柔らかい形状に変換して

粘土のように組みたてる。


組みたて終わると鉄やレンガなど好きな素材にして組みたてる事が可能である。


このスキルもここまで出来るようになったのは、

塔が破壊され、弱体化の影響が緩和されたからである。



「ザナドさん……ありがとう」


「気にしないでください。困ったときは、お互い様です」


ザナドの物腰の柔らかさに、患者の魔族は照れくさそうに笑った。




――その外では。


「よーし! 今日も街の巡回行ってくるか!」


フェローが張り切っていた。


その横でメリーナが拳を鳴らし、


「誰か暴れる奴がいたらアタシが全部ぶっ飛ばす!」


キラは笑顔で、


「うんうん。今日も平和が一番だね〜。ただし、ネザリアを傷つける奴は……全部刺すけど」


一瞬だけ背筋が冷たくなる発言をしつつ、

三人は楽しそうに巡回へ向かった。




――そして夜。


マランたちは精霊族のガラルとエミリアを交え、

本部の大テーブルで夕食を囲んだ。


「今日は精霊族の食材で料理したんだよ!」


料理部門長モルックが、得意げに大皿を運んでくる。


「これ、森の“風葉ハーブ”が入ってるから香りが最高なんだ!」


「わぁ〜! おいしい!!」


エミリアは目を輝かせている。


ザナドは周囲の賑やかな空気を見て、ふっと表情を和らげた。


「……本当に、国になったんですね…。ネザリアは」


マランは静かに頷いた。


「まだまだ小さな国だけど、確かに前に進んでいる」


「ええ。ここなら……多くの魔族たちが安心して暮らせる」


ガラルの言葉に、マランは心の底から嬉しさを感じた。


すいません、43話では描いてませんでしたが

モルックは料理が上手なのでちゃっかり料理部門長に

就任しています。前は役職的にマニアが料理長でしたが、食糧管理部門長に配置転換された為です。


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