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この世界を壊します〜魔王に転生したので配下を揃えて国作りをします〜  作者: JUJU


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33/50

狂笑の第9席ルークス、降臨

第33話です。

宜しくお願いします。

精霊族弱体化の塔――。


 森の奥深く、薄く青白い瘴気が立ちこめるその区域に、マランたち一行は足を踏み入れた。


 空気が変わる。


 大地が軋み、植物の囁きが止まった。


 精霊族にとって“命の流れ”そのものが乱される不吉な場所だった。




「このあたりから罠が増える。全員、私の後ろへ」


 ガラルが低い声で告げる。


 精霊族随一の“地形把握能力”を持つ彼は、森の変化を正確に読み取ることができた。


 ガラルの足取りは揺らぎひとつなく、罠の発動範囲を軽々と回避していく。

 そのたびに、精霊女王直属の騎士団が前に立ち、残った罠を解除して道を作る。


 さすがは精霊族のエリートたちだった。


 ――しかし。


「きゃあああっ!? ちょ、なんでここだけ根っこ出てくるの!?」


 エミリアが真上に吹き飛ばされた。


「エミリア!? そこ、昨日言っただろう!“絶対に触るな”って!」


「だ、だって見えにくかったんだもん!」


 ガラルがこめかみを押さえる。


 マランたちは苦笑しつつも、すぐにエミリアを受け止めて降ろした。


「無事で良かったよ、エミリア。……でも毎回同じ罠に引っかかるのは才能だな」


「うるさいっ! 気をつけるもん!」


 エミリアの頬がふくれる。


 緊張感の中に、小さな笑いが生まれた。




 そして――視界が開けた。


 聳え立つ塔が、瘴気の空気をまといながら黒々と存在感を放っていた。


 同時に、塔の前で待ち構える影が複数。


「……魔導砲を構えているな」


 ザナドが鋭い視線を送る。


 塔の衛兵たちは、人族精鋭の兵士。


 両腕に魔力基盤の刻印があり、魔力石を構えた砲台――《魔導砲》を肩に担いでいる。


 兵士長が叫ぶ。


「接近するな! 撃てぇッ!!」


 轟音が森全体を震わせた。


 光線が何本も降り注ぐ――が、すぐにガラルの風壁が展開され、逆流した風が光線を逸らす。


 そこへ。


「やっぱり来たかぁ……!!」


 不気味にねじれた声が塔の入口から響いた。


 ズル……ズル……と足を引きずるように歩きながら、ひとりの青年が姿を現す。


 痩せた身体、闇色の研究服。

 眼の奥に狂気を宿し、舌で唇を舐めながら、口角が歪む。


「はぁ〜い……ようこそ、僕の塔へ」


 その男の登場に、アークレイドの表情がわずかに陰り――静かに告げた。


「……第9席《ルークス=ハーデン》。間違いありません」


 ネザリアの空気が張り詰める。


 ルークスの狂気が、周囲の空気まで濁らせるほど濃い。


「うわぁ〜懐かしい顔がいるじゃ〜ん……えーっと、生きてるはずないアレ、誰だっけぇ?」


 ルークスはアークレイドを指差して、わざとらしく首を傾げる。


「……アークレイドかぁ!! えっ、生きてんの!? ちょ、半分悪魔みたいになってるし、ウケるんだけど!」


 腹を抱えて笑い転げる。


 アークレイドはただ静かに、それを見つめていた。


「私は……かつて数え切れぬほどの過ちを犯した。それを償うために、今ここにいる。それだけだ」


 ルークスはケタケタ笑いながら、アークレイドの変わった容姿を何度も指差した。


「バカじゃないの? 劣等種族の味方なんてしてさぁ。ほんっとうに、バカだよねぇ? ねぇ? ねぇってばぁ?」


 声のトーンが狂気の色を増す。


 背後の衛兵でさえ恐怖で後ずさるほどの“悪意”が、ルークスから溢れ出していた。


 そして――ルークスの目が、ゆっくりとマランに向けられる。


「んで……魔王(笑)ってのは、お前〜?」


 その顔には侮蔑と嘲笑しかない。


「なんかさぁ……“自分は強いです!”って顔してるよねぇ。ホント痛いわぁ〜」


 言い終える前に、マランの影がゆらりと揺れた。


 静かに、だが凍てつくような声で返す。


「……お前たちこそ。そんな塔に縋ってしか、他種族に勝てないと言ってるようなものだぞ」


 ピタリ、とルークスの動きが止まる。


 そして――


「……は?」


 狂気の笑顔が、怒気を帯びた歪みへと変わった。


「お前……今……なんて言った?」


 声が震える。


 怒りで空気が圧縮されていく。


 だが、マランは怯まない。


「塔がなければ、俺たちに勝てない。それが事実だ」


 ルークスの顔が歪みきる。


「…………っっざけんなよォォオッ!!」


 塔全体が揺れるほどの咆哮。


「もういい! 減らず口はそこで閉じろ!!」


 殺気が爆発し、周囲の衛兵までも膝をついた。


「お前ら全員、地獄見せてやる……!! 一人残らず、なぁ……!!」


 牙を剥いた狂気の視線が、ネザリアと精霊族の仲間たち全員に向けられる。


 塔の入口で、戦いの火蓋が切って落とされる――。


分かりやすくクズなルークスさんが正式に登場しましたね!前回純血騎士団の10傑のメンバーが登場したとき少し喋ってた以来の登場です。

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