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この世界を壊します〜魔王に転生したので配下を揃えて国作りをします〜  作者: JUJU


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32/50

塔攻略会議 ― 精霊宮殿にて ―

第32話です。

宜しくお願いします。

――セイレーン宮殿・会議室。


 精霊樹の葉が淡く光を灯し、柔らかな風がそっと揺れる。

 けれど、そこに集う者たちの表情は、張り詰めた緊張で満ちていた。


 マラン、ザナド、シェリー、マニア、キラ、メリーナ。

 そして、アークレイド。


 精霊族側はエルフィリア女王、側近ガラル、エミリアを中心に、重鎮と騎士たちが並んでいる。


 




 エルフィリア女王が、柔らかな表情で口を開いた。


「まずは……ネザリアの皆さま。ご無事で何よりでした」


 その声には、心からの安堵が滲んでいる。


「アークレイド殿より、事情はすでに伺っています。

 あの惨劇……あなた方がどれほどの悲しみの中にいたか……胸が締め付けられました」


 マランの拳がわずかに震える。


「……お気遣い、痛み入ります」


 短くそう返したが、その声の奥には鋭く冷たい怒りが潜んでいた。


 エミリアが、泣きそうな顔で身を乗り出す。


「マラン様……あの……ほんとに、ほんとに、大丈夫……?」


「……ああ。ありがとう、エミリア」


 マランは優しく微笑み返す。

 しかし、瞳の底には“消えない闇”がある。


 




 空気が切り替わり、アークレイドが一歩前へ出る。


「前回、魔族を弱体化していた塔を破壊したことで……人族側が危機感を覚えたのは確実です」


 重鎮たちは息を呑んだ。


「恐らく――すべての塔の警備は数倍に強化されています。

 さらに、純血騎士団《十傑》のメンバーが、いずれかの塔に配置されていても不思議ではありません」


 その言葉に、マニアの瞳が憎悪で真っ赤に染まる。


「……カレン……。

 あいつがいたら――絶対、絶対に倒す……!!」


 ザナドが隣でそっとマニアの肩に手を置いた。

 しかし、マニアの震えは収まらない。


 エルフィリアが静かに、穏やかに言葉を続ける。


「純血騎士団十傑……彼らは人族の中でも最強の戦士たち。

 塔の加護を受けた彼らは、脅威となるでしょう」


 




 アークレイドがさらに言いにくそうに告げる。


「……もう一つ、問題があります」


「?」


「ガザリア王国には……“非常に外道で優秀”な研究者が一人います。

 前回のキメラ――魔族と魔物を無理やり混ぜ合わせた存在は、彼の作品です」


 重鎮たちがざわつく。


「前回の個体は“試作品”。

 しかし――今回は研究が進み、前より強力なキメラが投入されている可能性が高い」


 マニアが口元を押さえて震えた。


「そんな……あんな酷い存在を……また……?」


「ええ。奴らなら、確実に作っているでしょう」

 アークレイドの声は冷たく、そして怒りに満ちていた。


 




 エルフィリア女王は静かにエミリアとガラルに目を向ける。


「マラン殿。前回の約束通り――

 精霊女王直属の騎士団を、今回の塔攻略に派遣します」


 会議室が再びざわめく。


「ガラル、エミリア。

 そして選りすぐりの精霊騎士たち数名が同行します」


 ガラルが胸に手を当てた。


「……僭越ながら、我ら精霊族も、次の塔は必ず破壊しなければならぬと考えております」


 エミリアもこくこくと力強く頷く。


「……マラン様のためにも……フェローさんや、ネザリアのみんなのためにも……絶対に、成功させるの!」


 




 会議の終盤、

 エルフィリア女王はゆっくり席を立った。


 透き通るような風が彼女の周囲に集まり、まるで世界そのものが彼女を称えているようだ。


「――今日、私は改めて確信しました」


「……?」


「ネザリアの方々は、他種族のために命を懸けて戦う“本物の勇者”です」


 マランの瞳が揺れる。


「人族に何百年も虐げられ、

 塔に縛られ苦しんだ私たち精霊族に――

 あなた方は“初めての希望”を見せてくれました」


 風がやさしく会議室を満たす。


「塔が破壊されることなど、歴史上ただの一度もなかった。

 それを成し遂げたのが、他ならぬあなた方――ネザリアです」


 女王の言葉に、重鎮たちは深く首を垂れた。


 エルフィリアが右手を差し出す。


「マラン殿。この戦い、共に歩ませてください」


 マランは一瞬だけ目を閉じ――静かにその手を握る。


「……必ず成し遂げます。

 精霊族のためにも……魔族のためにも……フェローや、失った仲間のためにも。

 この世界を――変えてみせる」


 女王は深く頷いた。


「運命は、いま動き出しました」




 こうして、第二の塔を破壊するための新たな同盟と戦略が整った。


 ネザリアと精霊族――

 世界を変える二つの勢力が、ついに肩を並べた瞬間だった。


 そして、この後。

 マランたちは出陣の準備を整え、

 新たなる“塔”へ向けて動き始めることになる。


やっと2つ目の塔破壊が始まりますね!

ちょっとここまで長くなりすぎましたかね?

クドかったらすみません。

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