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この世界を壊します〜魔王に転生したので配下を揃えて国作りをします〜  作者: JUJU


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28/50

深淵を覗く者たち

第28話です。

宜しくお願い致します。

――ダンジョン第二層。


 湿った空気が沈殿し、石壁には黒い苔がびっしりと張り付いている。

 マランを先頭に、ザナド、シェリー、メリーナ、マニアの第一次メンバーは、迷いなく奥へ進んでいた。


「ここも……あっさりだね!」

 マニアが軽やかに大岩を飛び越え、笑顔で振り返る。


「当然だ。塔の縛りが消え、我らは本来の力を取り戻している」

 シェリーが誇らしげに言う。


「ふふ。まだまだ余裕ありますね!」

 メリーナは拳を鳴らし、すでに次の獲物を探していた。


 第二層の魔物――《牙蜥蜴ファングリザード》の群れは、ほとんど瞬殺だった。

 マランの影の刃が揺れる前に、メリーナの拳が一体を粉砕し、シェリーが残りを毒で黙らせ、ザナドが影涙鞭で仕留めていく。


 そして――第三層も、同じく瞬く間に突破された。


◆ ◆ ◆


 第三層の階段を登りきり、転移の魔石を中心に円陣を囲む。


「よし。一度戻るぞ」


 マランが魔石に触れると、淡い光が広がった。

 空間がめくれ上がり――5人は一瞬でネザリアへ帰還する。


◆ ◆ ◆


――ネザリア、転移の光が収束した瞬間。


「マラン様、おかえりなさいませ」


 アークレイドが膝をついて迎えた。

 どこか疲労の色を見せながらも、姿勢は揺るがない。


「早かったな。精霊族の宮殿はどうだった?」


「はい。エルフィリア様は、ネザリアの出来事を大変ご心配されておりました。

 同時に……時間をいただけました。『準備を進めておきます』と、お伝えするよう仰っていました」


「そうか。助かる」


 マランが軽く頷くと、アークレイドの表情に僅かな安堵が走る。


「……それと、マラン様」

 アークレイドは胸に手を当て、深く頭を下げた。


「精霊宮殿において、私なりに情報収集も進めてまいりました。

 次の塔攻略に向け……必ずお役に立ってみせます」


 その声音には、かつて純血騎士団にいた頃の威圧的な気配はない。

 ただただ、静かな忠誠だけがある。


「ご苦労だった。なら――次はお前の番だ」


◆ ◆ ◆


――第四層へ。


 第二次メンバーは、マラン、アークレイド、エラルド、キラの四名。


「では、行ってくる。フェローにも……胸を張れるようにな」


 マランが告げると、第一次メンバーが静かに頷いた。


 転移の魔石が再び光を放ち――第二次メンバーは、第四層へと移動する。


◆ ◆ ◆


――ダンジョン第四層。


 そこは、湿り気のある洞窟から一変し、鋭い岩柱が林立する広大な空間だった。


 空気が冷たい。


「警戒を怠るな。ここからが本番だ」


 マランが前へ出る。


 その直後――黒い影が一斉に地面から飛び出した。


「グガァアアアアッ!」


 牙を並べた四足の魔獣シャドウスプリンターが十数体。

 闇に紛れ姿を消しながら、高速で襲いかかってくる。


「ふむ……中々良い獲物だな」


 アークレイドが静かに右手を上げると――

 空間に裂け目が走った。


「《次元裂航ディメンション・スリット》」


 バキィィン!!


 裂け目から生じた次元の刃が跳ね上がり、襲いかかる魔獣を次々と切断する。


「す、すげぇ……!」

 キラが目を丸くした。


「アークレイド殿、相変わらず恐ろしいスキルですね……!」

 エラルドも興奮気味にメガネを押し上げる。


 だが戦いは終わらない。


 消えたはずのシャドウスプリンターが、地面から再度出現――!


「!」


 マランの影が揺れた。


「――《影潜行シャドウ・ダイブ》」


 マランの影が地面に溶け、次の瞬間には魔獣の背後に現れていた。


「《影牙刃シャドウ・ファング》」


 黒い刃が扇状に広がり、魔獣を一息で切り払う。


 残った魔獣数体が、アークレイドに飛びかかる。

 しかし――アークレイドは微動だにせず、指先を静かに向けた。


「《次元曲断ディメンション・ベンド》」


 空間が歪む。


 魔獣の腕が、胴体が、歪んだまま引き裂かれ、影の中へ吸い込まれるように消えた。


「……これで全てでしょうか?」


 アークレイドが振り返る。


「いや、まだだ」


 マランが視線を奥へ向ける。


 岩柱の陰から、ひときわ巨大な影が姿を現した。


 全身が鉱石で覆われた魔獣――

 《岩甲王ゴルドロック》。


 第四層の主だ。


「デカい……!」

 キラがナイフを構える。


「分析は任せて下さい! 《魔晶極解メタライズ・ソート》!」


 エラルドの目が怪しく光り、魔獣の弱点が浮かび上がる。


「胸部の中心に魔核があります! そこを壊せば倒せます!」


「よし、俺が道を開く」


 マランの影が岩柱の下から広がり――


「《影分躯シャドウ・デバイド》!」


 黒い影から分身体が数体出現する。


 ゴルドロックが拳を振りかざす。

 土石を砕きながら迫ってきた。


「僕も行くよ!!」


 キラの笑顔が一瞬だけ狂気を帯び、両手から大量のナイフが生成される。


 次の瞬間――

 彼の投げたナイフは全て黒い硬度を帯び、岩を裂きながら魔獣の関節へ突き刺さった。


「さすがだな……やるじゃないか」

 アークレイドが微笑む。


「アークレイド、トドメは任せる」

 マランがアークレイドに命じた。


「……畏まりました」


 アークレイドは静かに空間を握りつぶす。


「《次元刃界ディメンション・エンド》」


 空間そのものが断裂し、ゴルドロックの胸部に亀裂が走る。

 その亀裂は魔核まで一直線に到達し――


 砕け散った。


「グォ……ォオアアアアア……!」


 岩甲王は咆哮とともに崩れ落ちた。


 静寂が訪れる。


◆ ◆ ◆


「これで……第四層も突破だな」


 マランが息を吐く。


「はい、マラン様。次の階層へ進む準備も整っております」


 アークレイドが胸に手を当て礼をする。


 キラは満面の笑み、エラルドは目を輝かせメモを取りながら魔獣の残骸を観察している。


 第二次メンバーは、確かな手応えを感じていた。


 そして――

 マランは深く息を吸い、次の階層へと視線を向ける。


「行くぞ。まだ深淵は続く」



やっとアークレイドの初めて戦闘シーン出せました。

いつ出そうか出そうか…と悩んでおりました。

それにしても強すぎますね。

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