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この世界を壊します〜魔王に転生したので配下を揃えて国作りをします〜  作者: JUJU


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15/50

──影王、塔を砕く──

第15話です。

宜しくお願い致します。

塔の内部は、外の霧よりもなお濃い“瘴気”で満たされていた。


 黒い壁には血のような紋様が浮かび、脈動するたびに低い唸り声のような音が響く。


 ――ドクン。

 ――ドクン。


 まるで塔そのものが心臓を持ち、呼吸をしているようだった。


「防御モード……完全に発動しているな」


 マランは静かに呟き、霧を断つように一歩を踏み出した。


 塔が震え、内部の魔力が収束する。


 ――ズズッ……!!


 床、その影が揺れた。


 次の瞬間、影から巨大な刃が伸び、マランを切り裂こうと迫る。


「ほう。自動迎撃か」


 マランは涼しい顔のまま片手を上げた。


「《影装創形シャドウ・クラフト》」


 マランの影が蠢き、巨大な黒い盾へと変形。


 迫り来る影の刃と衝突し、衝撃が塔全体を震わせる。


 ――ガギィィン!!


 影と影のぶつかり合い。


 それは本来、魔族側が不利なはずの“影魔力領域”。


 しかしマランの動きは、塔の弱体化をまるで受けていなかった。


「……エラー存在とは、こういう感覚か」


 影の盾を弾き飛ばしながら、マランは淡々と呟いた。




 塔の奥から、金属音と呻き声が混ざったような咆哮が響いた。


 壁が裂け、そこから骸骨と機械を融合したような護衛兵が姿を現す。


「これが……塔の本来の“守護者”ってやつか」


 マランは目を細めた。


 人族が造り出した、魔族対策の自動兵器――《タワーガード》。


 塔の魔石から供給される膨大な魔力により、魔族の弱体化領域では常に強化されている。


 だが――


「遅い」


 マランの影がふわりと揺れた瞬間、彼の姿は消えていた。


 護衛兵の背後から、影が音もなくせり上がる。


「《影潜行シャドウ・ダイブ》」


 影から現れたマランが、護衛兵の首元へ掌を突き出す。


 手から伸びた影が、槍のような形を取ると――


 ズドンッ!!


 塔内部に鈍い爆発音が響き、護衛兵の頭部が粉砕された。




 マランの前に、塔の心臓部――巨大な黒い魔石が姿を現す。


 塔全体に魔力を供給し、瘴気と弱体化領域を生み出している核。


 その魔石は、生き物のように脈を打っていた。


「この魔石を壊せば、塔は終わる。


 ……さて、どう料理してやるか」


 魔石に触れないよう距離をとりながら、


 マランは目を閉じ、魔力を一点に収束させる。


 影が揺れ、塔の壁を侵食し、床に広がり、


 空間の光を吸い込んで――黒き海へと変貌する。


 マランが静かに呟く。


「《影葬殿獄シャドウ・タナトス》」


 ――世界が、黒に染まった。


 瞬間、塔の内部で影が暴れ狂い、魔石を中心に無数の影刃が捻れながら襲いかかる。


 光を失った黒い空間に、赤い亀裂が走る。


 ――バキィィィィィン!!


 魔石がひび割れ、塔全体が崩壊の叫びを上げた。


 弱体化の霧が急速に消えていく。


「終わりだ」


 最後の一撃。


 マランが指を弾くと――影刃が魔石を完全に粉砕した。


 ――ゴォォォォォオオオオン!!


 塔が崩れ落ちる悲鳴とともに、外の霧が晴れていく。




 塔の外――


「終わった……のか?」


 フェローが拳を握りしめたまま呟く。


 シェリーは甲殻の埃を払いながら空を見上げ、目を細めた。


 マニアは息を整えながら、胸の前で祈るように手を組む。


 ザナドは飛び散った血を拭い、顔を上げた。


 ――光が差した。


 弱体化の霧が完全に消え、久しく見なかった“魔族の魔力の光”が大地から立ち上る。


「これ……私たちの……本来の力……?」

「身体が……軽い……!!」

「魔力の流れが……戻ってくる……!」


 魔族たちの胸に、長い間失われていた誇りが戻る瞬間だった。


 その中心に、影の海を従えて歩く男――


 マランがいた。


「お疲れ様」


 マランが柔らかく笑う。


 仲間たちの胸が一気に熱くなる。


「……マラン様」


 ザナドが膝をついて頭を垂れる。


「塔の破壊、お見事でした」


「ふん、まぁ当然だな……!」

 フェローが腕を組み、誤魔化すように鼻を鳴らす。


「だが……すごかった。あれが……魔王の力か」


「マラン様……かっこよかった……!」

 マニアが目を輝かせて笑う。


「ふふっ。マラン様。


 塔を壊す姿……とても素敵でしたわ」

 シェリーが色っぽく微笑む。


 マランは皆を見渡し、静かに言った。


「――ありがとう。

 この勝利は、俺たち全員のものだ」


 その言葉が、大地に染み込むように響いた。


 魔族たちの夜は明けた。


 塔は壊れ、呪縛は解かれた。


 そして――


「行こう。次の塔へ」


 マランが笑うと、


 仲間たちの心に火が灯った。


 世界を壊す旅は、今始まったばかりだ。


今日は更新頻度上げました!

良かったら見てください!

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