表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼鉄の氏治 ―戦国最弱、科学の力で天下を獲る!―  作者: やしゅまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/30

第27章「家康、動く」

「……カゲトラが敗れた、だと?」


静寂に包まれた地下司令室で、徳川家康は報告を受けていた。分厚い装甲の椅子に身を沈め、端然と佇む姿はまさに巨木のような重厚さを湛えていた。


「義将を破るとは、小田氏治……やはり侮れぬか」


家康の目が、眼前の空中投影モニターに映る《鋼ノ浮城》を見据える。

空の覇権を握るその浮遊要塞――かつて信長と氏治が同盟し完成させた、天空の城。


だが、家康は静かに微笑む。


「だが、まだ終わっておらぬ。『あまの理』は、我に味方する」


その言葉と同時に、背後の鉄扉が静かに開き、一人の異形の男が現れた。

人とも機械ともつかぬその姿――人工神経を植え込まれた、徳川が密かに開発していた“精神融合型”操兵そうへい


「起動を許すのか……家康公」


「うむ。貴様に与えるは、“天を殺す”ための役割だ。名を――《天破・ミカヅチ》」


異形の男は無言で膝をつくと、電流の走るような音とともに、その体から光が放たれた。全長七メートルを超える人型兵装ミカヅチが、地下の格納庫でゆっくりと立ち上がる。


家康は立ち上がり、ゆっくりと壇上に歩み出た。


「……戦国は終わらせねばならぬ。そのために、我はすべてを捨てた。感情も、血族も、そして――人間としての形さえも」


家康の首筋には、黒くうねるコードが走っていた。

彼もまた、精神拡張技術を取り入れた改造人間であり、国家の安寧のために自らを“兵器”と化した存在だった。


「小田氏治よ、貴様が空の王を名乗るならば……この地に、神の雷を降ろしてやる」


家康の号令とともに、地下都市《御神みかみ》の巨大な天井が開き、

《ミカヅチ》を搭載した空中砲艦《黒雷丸こくらいまる》が地響きを立てて上昇を始める。


同時刻、《鋼ノ浮城》では――


「……妙な反応です。北西方向、空間の歪みと高熱反応。何かが……上がってくる!」


管制士官の声が緊迫する中、氏治と信長が艦橋に並び立つ。


「来たか……家康の切り札が」


「ようやく、真打ちってわけかよ……!」


雲の切れ間から、漆黒の空母のような巨艦が姿を現した。


その艦首に搭載されるは、まるで雷神の槌のような巨大砲。そして艦の背に立つ影――異形の兵、ミカヅチ。


信長が笑った。


「この戦、面白くなってきたな……!」


氏治は右拳を握りしめ、呟いた。


「さあ、地獄の空中決戦を始めようじゃねえか」


――次章「黒雷、墜つ」へ続く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ