第26章「義将との死闘」
艦橋内部は無機質な鉄と配線に囲まれ、まるで巨大な心臓の内部のようだった。
氏治と《義将・カゲトラ》は、互いの存在を剣先に込めて対峙する。
「無様だな、小田氏治。まるで狼の皮を被った鼠だ」
「そっちこそ、時代の尻にしがみつく亡霊じゃねえか」
カゲトラの刃が閃いた。甲冑兵の巨腕から伸びた刀が、空気を割って氏治のスーツへ振り下ろされる!
ガギィン!
氏治はブレードを交差させ、直撃を防ぐ。しかし衝撃は骨に響いた。
(こいつ……重い! 出力が違うのか!?)
「この《義将》は、家康様のために造られた究極の守護者! その技術、貴様のような烏合の衆には扱いきれまい!」
「技術は力じゃねえ。どう使うかがすべてだ!」
氏治は床にブースターを撃ち込み、煙幕を発生させて跳躍。カゲトラの頭上から急降下し、刃を振るう!
ガギィィッ!
しかし、義将の背部から突き出た副腕がそれを弾き、氏治を壁へと叩きつけた。
「ッ……ぐあッ!」
艦橋のモニターが割れ、警告音が鳴り響く。気圧の変動が起き、装甲の一部が軋んだ。
「終わりだ、小田氏治」
「……まだだよ。俺には――仲間がいる!」
その瞬間、壁面が爆破された。
「氏治! 援護するぞ!」
飛び込んできたのは、信長の《鬼焔》部隊。狙撃兵たちがカゲトラを一斉に攻撃し、義将の右腕を破壊した!
「貴様……!」
「こいつでトドメだッ!!」
氏治は跳躍と同時にアームブレードを全開放。両腕のブースターを最大出力し、カゲトラの胴を真正面から突き刺した!
――ガギャアァァン!!
爆風と共に、義将が内部から崩れ落ちた。
氏治はその煙の中で膝をつき、荒く息を吐いた。
「艦橋、制圧完了! 制御系統の掌握に入る!」
信長の号令が響き渡る。
戦局は、大きく揺れた――




