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マナブハウス2

 僕は異世界の村で自分の拠点となる家を作る事を目標に魔法を活用した結果、レンガらしきものを作る事に成功した。これを使って効率的な家づくりを思案する。


 単純に考えればブロックを積み上げてボックス型のトウフハウスを作るのが良いと思うのだけど、それだけの量のブロックを作る事が大変である。魔法を使ったとしても大変な作業になると思う。


 ブロックを作る材料にしても他の場所から運んでくるだけで重労働まったなしである。


 そこでどうにか少しでも楽ができないかと考えた結果、竪穴式住居のような作りにしたらいいのではないかと思いついた。


 僕の考えはこうである。


 まず家の敷地を決める。そこをサンドとウォーターの魔法を使いながら粘土素材を作り穴を掘ると同時に、外壁となるように周囲に盛っていく。


 地下1mほど掘り進めながら外壁を陶芸の要領で作れば、外から見たら背の低い建物に見えるかもしれないが中は意外に天井の高いワンルームが出来上がってる寸法だ。


 考えれば考えるほどうまくいく気がしてきた。竪穴住居の匠が異世界に爆誕である。そうと決まれば、後はコツコツ作業を繰り返すのみである。


「サンド ウォーター」


 泥を作り粘土になるまで捏ねたら外に盛る。


「サンド ウォーター」


 泥を作り粘土になるまで捏ねたら外に盛る。


「サンド ウォーター」


 泥を作り粘土になるまで捏ねたら外に盛る。


「ふふふ、計算通りMP消費と回復が均衡をとれておるわ、永久機関のできあがりじゃー!」


 この時、異世界の名もなき村の片隅でニヤニヤ笑いながら泥遊びをしている男の姿を住人達に目撃されていた。


 男が泥遊びに熱中している間誰一人として近くに近づかなかったという。


 家を作る素材が粘土というのも良かった。内装を形成するのも意外と簡単なのである。

 掘り進めて少し高さが出てきた頃から、階段も作ってみたのだけど、粘土なので階段状に形成もチョチョイのチョイと仕上げた。


 魔法も多用したおかげで熟練度も上がり効果時間延長がついたので作業効率が上がった分MP回復が追い付かなくなるのだが、魔法を止めて粘土を捏ねている間にいつの間にかMPは回復しているので魔法使用の制限はほぼないのと同じだった。


 嬉しい誤算なのだが、サンドとウォーターを使い続けているとピコンと音がなり、魔法ステータスを確認してみて音の正体がわかった。


 土と水の複合魔法とも呼べる【マッド】と【クレイ】の魔法が使用可能になってる。「そういう柔軟なところ好きよ」と独り言を言いつつ、混ぜる工程がなくなった分、作業スピードは格段に速くなる。


 目標の地下1mを余裕でクリアして、外壁の高さも1m超えた。中で立っていても天井は高く圧迫感は感じない。

 まぁ屋根がないので完全に吹き抜け状態なのもあると思うけど。地下の深さは立ったときの目線の高さで地面が見えるところで止めておいた。


 外が簡単に確認できないのもなんだか不便そうと感じたからだ。


 流石に疲れは貯まってきているのだけど、地下の空間が仕上がるとついつい欲が出てきてしまうものだ。壁に穴を開けて収納スペースを作る。


 建設の匠はこういう事をするのがお約束なのだ。


 もちろん寝床用のスペースも確保する。座って休めるように丁度良い高さにするのも忘れない。またしても建設の匠はこういう気遣いを持ち合わせてもいる。



 仕上げに地面、壁にも粘土を塗りつけて強度を補強する。


 剥き出しの土ではなく巨大な陶器の中で生活するような仕上がりになると思っている。そうなって欲しいという個人的願望も大いに含まれている。作業している時に気付いたのだが、土の匂いってけっこう気になる。


「ふぅ......あとは焼き固めて完成だな。我ながらいい仕事をしたぜ」


 額の汗を拭って仕事をやり切った男の顔をする。


 すこし男の色気が漏れ出してしまったかもしれない。転生チートスキルとはいえ自分の才能が恐ろしい。やっぱり異世界は剣より魔法である。


 さて、最後の仕上げにとファイアで粘土を焼き固めて終わりにしよう。と火を噴きつけるのだが、思わぬ熱気にすぐに魔法を中断する。


「熱いいい、これじゃ蒸し焼きにされてしまうな、外からやらないとダメか」


 しかし、半日でこの成果である。きっとユイファが見たらびっくりするだろうと思うと楽しくなってくる。


 最初は自分の家を自作するなど途方もないと思ていたのに魔法を使えば難儀な工程をかなり省略できた。


 道具も満足にない世界だ。魔法が使えなければこの深さの穴を掘るだけでも1ヶ月はかかるかもしれない。

 レンガを作るにしても日干ししたり、窯などが必要になるのだと思うし、それらの作り方などしらないからもっと違うものになっていたに違いない。


 階段を上るついでに部屋をながめると、やはり素晴らしい出来だと思った。  

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