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精霊の住処と鍵師 ~精霊大陸物語~  作者: 冬月 雪南
【第一章 始まり】
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【8】獣人アンネリカ

私の名前はアンネリカ・ヴォルフ。

戦闘系の獣人で歳は今年で27になり、入団して10年ほどたった。


今日は武器に纏う属性相性を見極めるために、比較的入団して若いものが集められた。

私はその手伝いでこちらに駆り出された。

ここ最近は新人育成の補佐を行ったり難易度の低い討伐の隊長も時たまさせて貰っている。


いつかは、リリア様のような強く優しい女性になりたいと日々頑張っているつもりだ。


リリア様に憧れて暗めの赤茶色の髪を伸ばしポニーテールにしてみたものの、たわしもびっくりなこの剛毛は色んな方向に跳び跳ねた。

髪をまとめる時も太めのヒモでないとほどけてくるし、かといって短くすると顔の回りに髪が纏わりついて邪魔だった。


そもそも、体格も種族まで違うから当たり前の話だが憧れるのは自由だ。


獣族の私は入隊時は幼くいつか彼女のようにと日々鍛錬していたら、鍛錬すればするほど筋肉質になった。

入隊3年目に、胸まで筋肉になった時はさすがに泣いた。

そして、一年かけて体質改善しつつ何とかプロポーションを維持。

リリア様とまでは行かないが、我ながら健康的ないい身体ではあると思う。


そんな事より、朝からマリス様の様子が明らかにおかしい。


ぼーっとしたり、難しい顔をしたりと百面相だ。

元々わかりやすい人ではあるが、このままだと怪我人が出かねない。


「はぁー・・・、マリス様。マリス様!」


「あ?あぁ、アンネリカか。もう準備は終わったのか?」


「いえ、あともう少しです。なのでマリス様こそ準備してください。」


「お、おう。」


返事をしたものの、もう上の空だ。

何かブツブツと言い出してしまった。

正直、このままだと邪魔になるだけだ。


「はぁ・・・しかたない。マリス様、少し席を外します。」


一応は声をかけるが反応が無かった。


「ボドー」


基礎訓練中の1人に声をかけた。

彼は現在2年目の騎士である。


基礎訓練は当番があり2年目の騎士が大体で回している。

下に教えることにより復習となるのだ。


「はい!何でしょうか。」

「今日の当番は何人いる?」

「本日は5人一組に別れており、6チームあります。なので俺を入れて6人です。あと今日は2年目までの騎士のみいます。属性がわかるものや、3年目以上の先輩方は第1訓練所を使用しております。」


「・・・そうか、悪いが準備と基礎練が終わり次第、マリス様に待機するよう伝えてくれ。あのままじゃ怪我人が出るかもしれないから、リリア様に指示を聞いてくる。」


二年目の彼には気の毒だが、こいつが1番この中じゃ年長者だ。

悲壮感いっぱいな彼にはもうしわけないがしかたない。


「おぉおぉおおれですか?」


「・・・すまん。何かあったら骨は拾うから。」


そう言い伝えると、急いで総司令室へ向かった。

後ろから、ボドーの引き留める声が聞こえた気がするが聞こえなかったことにしよう。


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