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王都へ行く



「これから王都に行く準備をしなさい」


シスタの父。つまりはアイギス伯爵がシスタに言った。


「王都、ですか」


「ああ、王子の誕生日会で王都に近い領地を持つ貴族は行かなければいかないんだ。もちろん家族もね」


「王子は何歳なのですか?」


王子には今まであったこともなかったし気にしたこともなかった。

だから今話題に上がったことで少し気になった。


「シスタと同じ13歳だよ」


「あら、そうなのですね」


以外と同じ歳で驚いた。

もう少し上なのかと勝手に想像していたが。


「だから王子とは学校に通うときに同じ学年になるね」


王都に学園がある。

大体の貴族はそこに行くことが義務付けられているのだ。


特例で優秀な平民を特待生として通わせることもある。


『学園……』


キンがポツリと呟いた。


「どうしたのですか?」


キンがうーん、うーんと唸りながらこめかみを押さえている。

何かを思い出そうとしている際の仕草だ。


故にシスタの問いかけに答えない。

いや、聞こえていないのか。


「キン?」


再度問いかける。


「シスタ、キンとはなんだい?」


「いえ、独り言ですっ」


もう少しキンとしゃべるときは声量を絞らなければ。

ばれてしまう日も近いかもしれない。


こんなことは誰も信じてくれないし、言ったとしても気が狂ったと思われるだけだろう。


なるべくばれないように気を付けなければ。


「まあ、いい。シスタも行くから今のうちに準備しておきなさい。一週間後に出立するからね」


「はい、わかりました」



◇◇◇◇◇



父は王都にいくのに大体三日ほどかかるといっていた。

そしてこの領を出立するのが一週間後。


だがそんなことよりも……


「キン、一体何があったのですか?」


『なんかよ~、思い出しそうなんだよな~』


「何をですか?」


『学園て言葉を聞いたときから何かよ~、気になるんだよな~』


「キンのいた世界にも学園はあったのでしょう?

それじゃないですか?」


『う~ん、それじゃあないんだよ』


『何か重要なことだと思うんだけどな~』


キンは頭をひねりにひねっているがこのまま考えていてもなにも思い出さなそうだ。


「まあ、まだ時間はありますからその内思い出すでしょう」


『ああ、そうだな。でも何か妙に引っ掛かるんだよな~』


「二年後には私も王都の学園に入学しますから、その時に思い出すかも知れませんからその時に言ってください」


シスタはあきらめた。


キンはさばさばしているためあまり重要なことではないのだろう。

そう思って割りきった。



◇◇◇◇◇



『そういや~よ~、王都ってどんなところなんだ?』


「この領とは比べ物にならないくらい発展してますよ」


「屋台も一杯ありますし、武器屋もそれなりにありますよ。と言っても私は一回ほどしかいったことありませんけど」


『楽しみだな~』


「言っておきますが、遊びに行くのではありませんからね! 王子の誕生日会に行くのですから」


『王子ってどんなやつなんだ?』


とキン。


「さあ、私もお会いしたことはありませんから。ですが噂によれば聡明な方だとか」


『…』


「キン?」


また長考モードに入ってしまったようだ。


『王子…学園……』


王子、学園としきりに呟いている。

何か関係があるのだろうか。


特にはなさそうだがキンは何か引っ掛かるようだ。



◇◇◇◇◇



一週間が立ち今は王都へ3日間かけて行く馬車にのっている。


道が塗装されていないためガタゴト、ガタゴトと馬車が揺れて乗りにくいことこの上ない。


伯爵家の馬車だけあって豪華ではあるが揺れだけはどうしようもできない。


そして3日が立ち王都についた。



◇◇◇◇◇



関門を通過し、大通りを馬車で進んでいく。


窓から他にも同じような馬車が進んでいるのが見えた。


恐らくは他の貴族だろう。


どんどんと進んでいく。


王都の中心に大きな大きな建物が見える。


あれが王城だ。


あそこで王子の誕生日会が開かれるのだ。


キンは誕生日会を楽しみにしていた。


目的はもちろん


―――パーティに出されるであろう、食の数々である。


伯爵家も豪勢な食事だったが王家主催のパーティとくればどれ程の食事が食べられるのであろうか。


キンは舌なめずりをした。


「キン、今あなたが考えていることを当てて見ましょうか」


あきれながらシスタは言った。


『な、なんのことだっ、私は飯のことなんてこれっぽっちも気にしてないからな!』


「やっぱり………」


さらに呆れるシスタ。



◇◇◇◇◇



外を眺めていたシスタの耳に


「キャー!!」


と女性が叫ぶ声が聞こえた。


「キン!」


『ああ!』


声の主の所まで行こうと馬車から降りようと扉を開ける。


「お嬢様!」


御者が馬車を止めてシスタを止めようとするが、シスタは止まらない。


一直線に悲鳴の主の所まで駆けていくのだった。








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