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129. 

「それにさ。面倒くさいこと止めーたぁー」

「面倒って?」

「結局俺って嘘が下手だからさ。どっちにもいい顔ができない訳よ。嘘はバレるからそのままでいこうと思ってさ」

「うん。それがキャルムらしくていいじゃない」


 歯を見せて二かっと笑うと握りしめていた手を緩めた。


「新婚さんの家にお邪魔するのは、気が引けるけどよろしくお願いします」

「一階の店舗と二階の自室は階段で繋がっているけど、ほぼ軟禁状態だよ。受けてよかったのかなと思ってさ」

「少しの不自由とお屋敷どちらをとっても安全保障付きなら問題なし」

「お嬢様も大変なんだな」


 キャルムもね。

 心の中で彼に謝りながら、どうにか明日生き延びていく術があることに感謝する。

 夕方から夜の帳が下りるまで、街灯が少しずつ灯り始める。

 町の中心の噴水まで歩いたとき、小人さんが住んでいそうな細長い二階建ての家が見える。

 二階の長い長い外廊下と隣の家が繋がっているのがわかる。

 鍵をもらって家の中に入る。

 思っていたよりもさらに小さな工房。ひとりのお客様と話をしていると、次のお客様は外で待ってもらうしかなさそうなスペースしかなかった。

 多くのスペースを作業台と黒のソファーに占領されている。

 お茶を沸かせるくらいのスペースの台所。

 奥の木の螺旋階段が可愛らしい。

 登っていくと、小人が住んでいたのを裏付けるような小さな扉が目の前に現れた。

 背をかがめて入ると天井は少し高くなっていた。

 


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