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汚い部屋  作者:
7/10

部屋の隅で虫が動いた気がした。反射的に身構えてしまう。虫は嫌だ。小さな蜘蛛くらいならいいけど、ダニとか、蚊とかも怖くない。でもある程度大きい虫で、あるいは汚いイメージが付いていたり、毒を持ってたり、動きが気持ち悪かったりする虫は見たくない。居ないことにしたい。しておいてほしい。ちょっと足とかお腹のあたりがそわそわし始める。なんだか緊張している。この部屋に、私以外の、嫌なもの、見たくないものがいるかも知れないという考えが生まれて、ちゃんと確認するまでずっと続きそうな感じがする。気にしないでいることが難しくなってきている。無視してるといつの間にか不快な目にあってるかもしれない。具体的にどうだってわけではないが、分からないことが私を緊張させていて、分からないことが起こるかもしれないということが。しかもそれが嫌なもの、見たくないものによって引き起こされる、不快なことかもしれないということが私を身構えさせる。さすがに虫と戦う用の道具は何も持ってきていないので、靴で叩き潰すか、ひたすら回避運動を取り続けるかのどちらかぐらいしかとれる行動がない。私に向かって移動してきた場合の話だが。決められた時間になるまで、虫が大人しくしていてくれたなら、私としても、ずっと考え続けるのが面倒になって、そのうち忘れてしまったり気にしなくなったりするかもしれない。そうしたら平和に共存できる。知らない同士で私と虫は仲良く同じ時間を過ごせるかもしれない。しかし駆除できるなら駆除しようとするだろう。今はそれができないから、相手に大人しくしてくれるよう期待しているだけ。問題の解決を投げてしまっている。

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