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汚い部屋  作者:
2/10

私が子どもである時、それは価値である。幼さという価値、未分化という価値。不確定という価値。先があるという価値。何も知らないという価値。急に終わってしまうことは無いように思える。知らないうちに過ぎていくことばかりで構成されている。価値は永続しない。限りある時間という制約が常に意識される。その割にはなにもない。使い途のない私の価値は他人に使われることしかない。お金が手に入るとすぐに使ってしまう。


食事はコンビニで買ってきてある。トイレは来る途中で見かけたからそれを使おう。あとは、何かあればその時考えよう。地震とか変な男が入ってくるとか。火事とかテロとか親が急病とか。早々起こりそうもないことばかり考えてしまう。身近な危機に対して意識が低いのは私の人生経験が少ないからなのだろうか。なにもない時間を埋めていくという作業。それを行うことで退屈するのではないかという予測が私には立っていなかった。誰かが居たほうがむしろ退屈する。一人で居ると何もしないということが許される。それだけでぜんぜん違う。無用で居てもいいだなんて。なにしてるのって聞かれないことで私は落ち着きを取り戻す。時間を有効に使わなくてもいいなら私は私でないものであっても何であってもいい。とか、無理なことを考える時間。

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