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084.扉をこじ開ける人はどこかがおかしい

寝落ちしたため、投稿するのを忘れていました。

 

 どうも、オークです。


 目が覚めると、シロクマとメイドにのしかかられていました。


 いや、犬さんは僕の世話役としているのであって、シロクマさんはもう不要ですよ。だから、そこをどいてくれませんか?


 あと、犬さんは足で頭を擦らない! いくら、犬とはいえ、一応、レディですよ! そんなはしたないことをしてはいけません!


 さて、気づけば出荷まで残り3日となりました。


 それなのに、どうしてこんな厄介な生き物たちを押しつけられなくちゃいけないんでしょうか?


 そもそも、どうしてレミオラさんが僕の世話役を選定するんですか!


 いくら、仕事ができるとはいえ、一応、魔物ですよ? サキュバスですよ? 普通、信用しないでしょうが!


 さて、二匹の珍獣のお世話をしましょうか。


 僕は一応、客人なんですよ! どうして、こんなことをしなくちゃいけないんでしょうか?! こら! 犬さん! 世話役がお世話されちゃいけないでしょ!


 僕が二匹の珍獣と格闘していると、乱暴に扉が開かれました。


「英雄王様。よくぞ御無事で!」


 えーっと、どちら様でしょうか? いきなり人に抱きついてきて、貴女もあの変態女騎士たちの同類でしょうか!


 あと、そんなに涙ぐまれても、僕は何もできませんよ! ほんと、誰なの? この人!


「私のことなど覚えておられないのですか」

「すみません。覚えてません」

「あっ! そうでしたね。鬘に、小汚い格好をしていれば、それは分かりませんよね」


 彼女は突然、鬘を外すと、絹の様に美しく輝く白髪を露わにしました。うむ。どこかで見たことあるような無いような。そんな顔をしていますね。


 あと、犬さん。急に警戒しないでください。


 そこは僕の急所ですよ! ビシバシ叩かないで! 


 シロクマさん、あなたも頭に噛みつかないで! 死んじゃうでしょ!


「嘘でしょ。まだ、私のことが分からないのですか?」


 言いづらい。とっても言いづらい。


 本当に名前が思い出せないんですよ。白髪の時点であの人では無いし、匂いもどこかで嗅いだような……。そう、清涼剤の匂いがする! うーん。でも、わかんないや。


「すみません。分かりません」

「そ、そんな。まさか、あの汚らわしい変態にほだされてしまったのですか! あぁ、なんたる屈辱! まさか、私が動かない間にそんなことが!」

「本当にすみません。どちら様でしょうか? っていうか、会ったことあります?」


 あと、僕はどの変態にもほだされていませんからね。恐怖は味わいましたが……。


「ありますとも! むしろ、将来の愛も誓いましたよ!」

「すみません。僕はそんなことをした覚えはありません」


 ますます怖いんですけど! あなたはいったい誰なんですか!


 あれ? 見覚えのある白いローブを羽織ったぞ。


 そして、見覚えのある目玉がぎょろぎょろしているネックレスをつけて、センスのない杖を片手に持ったぞ。まさか!


「聖女様じゃないですか! どうしてこんなところに居るんですか! てっきり僕との接近禁止命令が出ていたのかと思いましたよ!」

「まぁ、それは色々と事情があって会えなかったんですよ。あと、どうしてここまでしないと気づかないんですか!」

「それはすみません。ところで、どうやって入ってきたんですか?」

「怒ってますからね! 私のことを覚えていないなんて許せません」

「あっ、かわいい」


 特にこのジト目。なんかくるわ。


「この豚、“ピー”したわ」

「犬さん。僕は“ピー”なんてしてませんよ!」

「臭いで分かる。臭い。ゴミ箱みたいな臭いがする」

「そんなの分かってたまるか! あと、人をゴミ箱のような臭いって表現しちゃいけません! って、どうして聖女様は笑みを浮かべているんですか!」

「だって、あまりにも手を出してこないものだから、てっきり“ピー”だと思っていたんですよ。だから、つい嬉しくなっちゃって。あぁ、涙が出てきそうです」


 こういう時はハンカチを出せばいいのでしょうが、生憎、そんなものを持ち合わせていません。腰布ならあるのですが、そんなもので顔を拭いてもらうのはちょっと気まずいしなぁ。


「ほれ、タオル」

「ありがとうございます」


 って、かれこれ数時間だけの付き合いですが、僕のお世話は一切してこなかったあなたがどうして聖女様のお世話はするんですか! 見た目の美しさですか!? 同性だからですか!? それとも、臭いですか!?


「そんなことよりどうしてこんなところに居るんですか!」

「あぁ、そうでしたわね。私は元々、アスタシア教会の聖地アスタシアの方で公務をしているのですが、あの忌々しい収穫祭のせいで王都に呼び出されてしばらくクロフグの森に足を運べていなかったのですよ。そしたら、王都にピンク色の凶暴なオークがアンドルセン家別邸の方から送られてきたと耳にしまして、ここに尋ねてきたら、あなたがいたわけです」


 ピンク色の凶暴なオークとは誰のことでしょう? もし、僕のことだったら、そんなこと言った人は後でとっちめないといけませんね。


「えっ、収穫祭?」

「秋になったら、毎年やるお祭りのことですよ。みんなで飲んで騒ぐやつです。勇者教会との共催なので、正直、参加なんてしたくないのですが、仕事なので一応、やらなくちゃいけないんですよ」

「へぇ、そんなお祭りがあるんですか。それはいつにあるんですか?」

「今から大体一週間ほど後でしょうか。各地からカボチャを集めないといけないので、時間がかかるんですよ」


 どうしてカボチャをあちこちから集めないといけないのかは分かりませんが、一週間後は無理ですね。確実に首が飛んでいます。きっと、その後、収穫祭の宴会にお肉として参加していることでしょう。


「それは残念です。僕は参加できないので」

「どうしてでしょうか?」

「ほら、僕って死ぬんですよ。三日後に」

「き、き、聞き間違いじゃないですよね?」


 動揺しているところもかわいいですね。ただ、本当のことなので、お伝えしなければなりません。


「本当のことですよ」

「何ですって!」


次回も明後日更新予定です。

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