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076.オークがいなくなったときに起こる禁断症状

 

「どこからどう見ても高い天井だ」


 一度くらい言ってみてもいいですよね。この有名なセリフ。


 えっ? どこか違う?


 いやいや、気のせいでしょ。うん。きっと気のせい。


 さて、この天井は今まで見てきた天井の中では圧倒的に値が張りそうな天井ですね。


 くれぐれも天井が高いとか言ってませんからね。天井の高すぎる部屋にいたら、気分が悪くなりそうです。僕は一応、狭い部屋が好きなので。


 ただ、ちょっと、頭上にシャンデリアがあるのが気になるんですけどね。落ちてきたら刺さりそうで怖いんですよね。


 まぁ、それを除けば、ベッドもふかふかだし、気持ちよくて二度寝しそうです。


「気づいたか! オーク殿!」

「ピギャ!」


 なんでそばにレイラさんがいるんですか!


 もう怖いですよ! 取って食われるんじゃないかって思うと怖くて仕方がありませんよ!


「心配したんだぞ。あの桃色髪の変態女騎士に問い詰めたら、王宮の地下牢にいるとほざくし、半信半疑で同じ同好会の誼の金髪の変態王女を訪ねたら、あの愚王と二人っきりというではないか! オーク殿、どこも触られていないか? あるいは、“ピッピッピ”されてないか?」

「どこも触られていませんし、そもそも、あんたも変態でしょうが!」

「失敬な。あの二人に比べたら、わたしはまだかわいいものだ」


 いや、全然かわいくないんですけどね。ほら、何度か僕の裸を見て涎垂らしていませんでしたか?


「オークと会えなくなったお嬢様は恐ろしいものでした」


 唐突に、ドレス姿の美しいビアンカさんが発言しました。


「そこの変態が何をしていたんですか?」

「いままでなら、毎日、歩けば出会えるのに、いないことで歯ぎしりして、お母様がいるのに、放心状態になっていたのです」


 えっ。そうなの?


「そ、そんなわけがないだろ? ビアンカ。わたしはちゃんとしていたと思うぞ?」

「まるで、その姿はクスリが切れた中毒者のようでした」

「やめてよ! 人をまるで麻薬みたいに言わないでよ!」

「あなたはオークではなかったのですか?」

「だから、心の中は人間だって言っているでしょうが!」

「誤解だ! 誤解だぞ! オーク殿! ビアンカは嘘をついている! わたしは至極平静だった! 信じてくれ!」

「いや、その姿は簡単に想像できるんでビアンカさんの言葉を信じます」

「そんな……」


 僕は項垂れている変態さんから目を逸らし、ビアンカさんの方を見つめました。


 すると、ビアンカさんは急に僕から離れました。


「そのいやらしい目つきで私を見るのはやめてください」


 ドレス姿もいいなって心の中で思っていただけなのに、なんで分かるんですか!


 ******


 オークと女騎士がいなくなった玉座の間では、王様とドSな王女様とイケメン騎士の三人がいました。


「さて、どうしたものじゃろうか」

「陛下。それはどういうことでしょうか?」

「一応、あのうるさい勇者教会のやつらがあのオークを殺せと言っておる」


 騎士様は王様の言葉に相槌を打ちました。


「まぁ、野生のオークだったら、簡単に処分できるんですけどね。ただ、あの自動殺戮機械オートキリングマシーンのペットを殺すとなると、自動殺戮機械オートキリングマシーンが歯向かってきかねません」

「余の忠実な耳も余よりもあの変態に従っているようじゃ。なぜあの変態に人望があるのじゃ?」

「まぁ、強いからじゃないでしょうか?」

「強さで優劣が決まっていい世界じゃないぞ!」


 すると、今まで黙り込んでいた王女様が口を開きました。


「ならば、わらわがあのオークを歓待しましょう」

「どういうことじゃ?」

わらわは勇者教会とは無縁。それゆえ、わらわがすることにあの者どもはとやかく言いませんわ。それに、もし、あのオークが人畜無害であることが証明できたら、父上を煩わせる心配もございませんわ」

「いったい何をする気じゃ? そこはかとなく嫌な予感がするのじゃが」


 王様は実の娘をまるでバケモノを見るかのような目で見つめました。


「心配いりませんわ。父上。私に任せていただけたら、万事うまくいきますわ」

「ここは任せてもいいんじゃないでしょうか?」

「なぜじゃ!?」

「我々と豚女たちは正直言って相容れぬ存在です。同じ人の皮を被ったなにかと言っていいでしょう。たとえ、あのオークを殺すことになったとしても、そんな豚女である王女様ならば、自動殺戮機械オートキリングマシーンをうまく宥めることもできるでしょう」


 騎士様の意見を聞いた王様は諦めた表情をして、王女様に告げました。


「相分かった。やってみるがよい」

「分かりましたわ。父上」

「ところで、娘よ」

「なんでしょうか? 父上」

「この奇怪な生き物の絵はなんじゃ? 先程オークが残していったのじゃが……」


 王様が指差した方を見ると、そこには丸い奇妙な生き物の顔があった。


「申し訳ありません。私には分かりませんわ。あとで、大工に直してもらいましょう」

「てっきり、オーク族に伝わる伝説上の生き物かと思ったのじゃが……。まぁ、そうじゃな。こんなけったいな生き物の絵など見たくもないわ」


次回も明後日更新です。

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