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072.地下牢の王女様

 

「見たら分かる? ここは暗くてよく見えんわ」

「目がすっかり暗闇に慣れたのか知りませんが、僕にはばっちりあなたの美貌が見えますよ」


 そうなんですよ。


 たしかに、見てくれはいいんですよ。出るべきところは出てるし、顔だちもきれいですし。


 ただし、そういう人に限って凶暴ですからね。


 僕はそんな方を何百人も見て来ました。特にあの屋敷はなんでしょうか? 化け物のバーゲンセールでもやっていたのでしょうかね? 


 一部、男性が混じっていたような気がしますが、まぁ、メイド服を着ていたから問題ありません。心は乙女っていうことでいいでしょう。


「なんとまぁ、汚らわしいオーク。その見え透いたお世辞も吐き気が出るわ」

「何ですか! その言いようは!」


 本当に吐き気を催している時点で、ひどいですよ!


「さて、お主には16の罪に対する嫌疑が掛かっておる」

「嘘です。僕は何もしていません」

「だが、『被告は勇者を吹き飛ばしたと証言していました』とピオニーズ家の変態女が言っておったぞ」

「その変態女は後でとっちめてやる!」

「お主には無理じゃ。あの女は東の大穴を守っておったバケモノじゃ。少なくとも、自動殺戮機械オートキリングマシーンがいないと太刀打ちできんわ」

「それって、あのツインテールじゃん!」


 あれってそんなに有名なの? ただの女好きだと思っていたのに。


「知っておるのか?」

「って言うか、あいつに殺されかけたんですよ!」

「不思議じゃ。魔物を治す薬は残念なことに、この国には無いのじゃが、それなのにこやつは五体満足じゃ。あの女は男という男を再起不能にしてきたバケモノじゃ。なのに、なぜこんなピンピンしておるのじゃ?」

「知りませんよ! とにかく開けてくださいよ!」

「分かったなら、これを受けてもらおう」

「なんですか? それ」


 その見るからに熱々に熱せられた鉄製のスタンプみたいなものが見えるんですけど。


「所謂番号のようなものじゃ。勇者の育った世界では家畜に番号をつけることがあるらしく、それの少し痛い版じゃ」

「やけど確定じゃないですか!」

「いや、まだあるぞ。それが終わったら、これが待っておる」

「なにこれ?」


 見たことないものですね。二つの串と一つの吸盤がついていますね。何のための物でしょうか?


「目潰し専用の拷問具じゃ。額に吸盤をつけるとちょうどいい具合に目を潰せる」

「ストレートに言いやがったよ! この女!」

「女? 図が高いわ。わらわは王女じゃ。お主のような畜生風情が逆らっていいものではないわ」

「なんですって!」

「ちょうどいい。お主をわらわのコレクションの一つにしてやろう。268番!」

「ぶひっ!」

「そこの愚かな家畜めを救ってやれ!」

「なんで、目潰し道具をもって入っているんですか! っていうか、鍵は? どうして勝手に開けてるんですか!」

わらわは王女じゃ。それくらい造作もないわ」

「なーに、ただの目潰しじゃ。すぐ終わる。963番」

「いーやー!」


 いつの間にか番号つけられているし、何ですか。いきなり人の目を潰すなんてあなた、それでも王女様なんですか!


「王女様!」


 突然、異様な寒気がする声が聞こえてきました。


「王女様! 王女様! 王女様!」

「なんじゃ? けったいな生き物じゃな」

「王女様、そんなつれないオークなんかよりも私めをいたぶってください。よく叫び、よく“ピッピッ”ますよ!」


 なんですか。涎を垂らしまくって、気持ち悪いことを言うなんて。あぁ、そんな人が真向いの部屋にいるなんてこんな不幸ありますか?


「──興が削がれたわ。帰るぞ」

「ぶひっ!」


 あっ、王女様が帰った。そんなにあの男が気持ち悪かったのですか。


 あと、戸締りはしっかりするんですね。僕が出ようとしたら、彼女が連れてきたオークが僕を蔑むような目で、しっかり扉を閉めたんですよ。ひどい! 


 あれ? よく考えたら、あの声になんか聞き覚えがあるぞ。


 それに、あの小さな体。もじゃもじゃな髭。そして、異様に首が短い! ──あれ? こんなに短かったっけ?


 まぁ、いっか。さぁ、みんなであの人の名前を呼んでみよう!


「って、お前は特殊生命体K!」

「俺はクインブルだ!」


なんか最近、話が短いんですよね。

まぁ、その短くなったお詫びにオークの罪状でも載せておきましょう。だって、気になるでしょ?


それに、罪状だけを語る回なんてとてつもなくしょうもないんでここに書いちゃいました。


(オークの犯した罪)

01.勇者クズノキを飛ばした容疑

→襲いかかってきたからしょうがなくやった

02.アリシア様を誑かした容疑

→誑かされているのは僕の方

03.ネタキャラ(一応、王女様)を泣かした容疑

→泣きたいのは僕の方

04.勇者ナキジンとネタキャラさんの恫喝し、金品を奪い取った容疑

→優しく話しかけたら貰った

05.勇者ナキジンとネタキャラさんを虐めた容疑

→虐められたのは僕の方

06.勇者ナキジンとネタキャラさんを何度も吹き飛ばした容疑

→旅行の手助けをしただけです

07.骨とう品を破壊した容疑

→あれって、本当にすごいお宝だったんですか?

08.黒フグの森駐在の騎士ピエンデリエストス(中年男性)の殺人容疑

→誰?

09.特殊生命体Kから金品を強請った容疑

→むしろ、渡したきたのはKの方

10.自動殺戮機械オートキリングマシーンに対する公務執行妨害の容疑

→むしろ、殺されかけた

11.素直にお肉にならなかった容疑

→それ、僕死んでますからね! 認めるわけないでしょうが!

12.数多くの勇者を泣かし、金品を騙し取った容疑

→僕は悪い子を叱りつけただけです。そのついでに賠償として貰っただけです。悪いことはしていません!

13.神聖なるクロフグの森を破壊した容疑

→あの森のどこが神聖なのですか? オークたくさんいましたよ(笑)

14.クロフグの森のドングリを無断採取した容疑

→生きるためには欠かせないことです

15.クロフグの森を流れる小川で無断沐浴した容疑

→清潔な体を維持するには川に浸かるしかありません

16.未発見ダンジョンの報告義務を怠り、無断で使用した容疑

→なんで報告しなくちゃいけないの? 僕、オークだよ?

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