071.──オークです。気づいたら地下牢にいました。
3章開始!
未だに、章タイトルは思いつかないのですが、別に私はなくてもいいと思っているので特に気にせず頑張ります。
どうもオークです。
気づいたら地下牢にいました。さみしいです。
蜘蛛の巣はびっしり張られているし、埃は何十年も掃除していないんじゃないかって思うくらい積もっています。
まぁ、少しスパイシーな味がする蜘蛛を食べて何とか生きているんで、あの鞭しか与えられなかった恐怖の一か月よりはましですよ。
ところで、僕はなぜこんなところに居るのでしょうか?
たしか、自分の小屋で寝ていたら、ツインテールの女騎士さんに斬られそうになったんですよね。そして、彼女に謂れのない罪を散々言われて殺されかけたんですよ。
そこにレイラさんがびくびくしながら、僕を助けに来ましたね。
その後、いつもの応接間に運ばれてから、まぁ、色々あってレイラさんは手紙を読むことになったわけですよ。
くしゃくしゃになった一枚目の王様からの手紙を読んだ際は特に興味がなさそうな顔をしていましたが、二枚目の手紙を読んだ後、レイラさんにきつく抱きしめられた後、意識が飛んでいったのですね。
仮に、あの人とひとつ屋根の下で暮らすことになったらたぶん、僕はそう遠くないうちに死ぬんじゃないかと思います。
ハグだけで意識を失うって……。もうその先を考えただけで、僕は何回死ぬことになるのでしょうか。あぁ、考えただけで吐き気が止まらない。まぁ、今は唾しか出ないんですけどね。
いや、地下牢にいる時点で僕は間もなく死ぬんじゃないかと思います。
だって、ここに居る人たちって牢から出される人は大概「死にたくない!」「やめてくれ!」「俺を殺さないでくれ!」と泣きわめきながら騎士様に連れていかれるんですよ。
そのとき、僕は察しました。──いつの間にか僕も死刑囚になったんだな……。
こんなことを考えると、また、吐き気がすると思いますが、とりあえず、これからどんな目にあうのか考えてみましょう。
まず、ここにオークイーターみたいな化け物が現れて僕を散々嬲ります。
そして、死に体になった僕をそのまま屠殺場へ運んでいくのでしょう。ツーステップで終わっちゃったよ!
しかし、ほんと、地下牢って嫌ですね。少なくとも、住むのには向いていません。
飯もなければ、水もない。さらに、響き渡る「恨めしい」「王様ぶっころーす!」「いい加減、飯食わせろ!」といった叫び声の数々。お化け屋敷でもこんな迫力はありませんよ。
ほんと、あの女王様との調教生活が懐かしくなりますよ。
「オーーーーク!!」
あぁ、びっくりした。いきなり、何ですか? その叫び声は。
てっきり名前を呼ばれたと勘違いしたじゃないですか。
そういえば、最近、僕の真向かいの牢からそんな声が聞こえてきます。
ろうそくもないので、暗くてよく見えないのですが、ひょっとすると、僕の知り合いかもしれませんね。
いよいよ、あの終末期野郎がお縄にかかったのでしょうか?
いや、あの生命力にありふれた王女様と違って、軟弱ですからね。たぶん、今頃、ようやく念願の南国に着いた頃でしょう。あの恥ずかしいエアギターを見なくて少し安心しています。
それとも、目の前にいるのはオークイーターでしょうか?
それにしては、男らしさが残っています。
それに、あの化け物はどんなオークに対しても「ちゃん」付けしますからね。あの声を思い出すだけで震えが止まりません。
まぁ、今の僕には関係ありません。
今は生きるか死ぬかが問題ですからね。腹いせに少しずつ壁の石を削っているのですが、たぶん、地下だから意味ないでしょうね。
「ほう。こやつが噂のオークか」
あれ? ここに女性がいたのですか? こんなゴミだらけの場所に女性が来るのですか。度胸が据わっていますね。
あれ? なんか香水臭いんですけど! 何ですか!? このひん曲がりそうな強烈な芳香は!
「妾の顔を見て、欲情せぬとは……。お主、オークなのか?」
うわ! 目の前に美人がいる!
誰なんだ! 僕はこんな人に会ったことがありませんよ!
ただ、一つどうしてもツッコみたいことがあります。
ここはツッコんでいいですよね。絶対いいですよね。
「見たら分かるでしょうが!」
えっ?
欲情するしないに対してツッコむと思っていた?
それとも、鼻がひん曲がりそうな香水についてツッコむと思っていた?
だって、この人の側に目を焼き潰されたオークがいるもの!
“ピー”したら、絶対“ピー”が“ピッピッピー”されるよ!
次回は明後日更新です。
暇だったら、私が暇つぶし(という名の気分転換)に書いている「たらい」も見てくださいね。




