表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/139

070.悪いオークは王都へ連行だ!

 

 メイドさんたちが逃げ惑うお嬢様を捕まえて、落ち着かせること一時間少々経って、僕はツインテール女騎士に引きずられながら、いつもの応接間に入りました。


 ところで、僕はどうしてここにいつも入っているんでしょうか? よく分かりません。


 あと、そこのツインテールのお嬢さん。さっきから屋敷の中の臭いを嗅ぎまわるのはやめてくれませんかね?


 あなたがあまりにも鼻の穴を大きくするものだからメイドさんたちが逃げ出したじゃないですか! もう僕にはあなたがただの変態にしか見えません!


 それに、僕の臭いに反応するたびに唾を吐きかけるのもやめてくれませんかね? 心にひびが入ります。


「で、いつになったらこの手錠を外してくれるんですか?」

「そんなの王都で裁判を受けてからの話だろ」

「だから、僕は無実です。こんな愛らしい僕がそんな悪いことをするように見えますか?」

「言っとくが、私には豚の良さなど一つも分からないし、そもそも、男の時点でアウトだ。せめて、女になるところからやり直せ」

「それはひどいぞ!」


 僕がメスのオークになったら、とんでもない目に合うじゃないですか!


 あの盛った豚共の前に野ざらしにされる哀れな花として僕の第二の人生を終えてしまうかもしれないじゃないですか!


「なぁ、お前とは一生、会いたくなかったのだが、オーク殿を王都に連れて行くと聞いたら、話を聞かずにはいられぬ。なぜそういうことになったのだ? オーク殿はわたしの預かりのはずだ」

「一生とは言わないでくれ。まぁ、その冷たさ、なんか来るものが来るな」


 その来るものは何ですか! 涎ですよね! 絶対に涎ですよね!


「まぁ、とにかくこのゴミの手紙を読め」


 ツインテールの彼女はポケットの中に手を入れて、ゴミを取り出しました。


 文字通りただのゴミじゃないですか。


「お前はゴミを読ませる気なのか?」

「しょうがないな。復元させるから待て」


 彼女は溜息交じりにぶつぶつ何か怪しげな呪文をつぶやきました。すると、ゴミはあっという間にきれいな手紙になりました。


 あれ? この封蝋って……。


「これって……」

「これは豚でも分かるのか。これはゴミからの手紙だ」

「だから、ゴミって何ですか! 王様の手紙でしょ!」

「豚にはあいつの良さが分かるのか? あれは私に無理矢理王子と結婚させようとしたゴミ、人類の敵だぞ」

「なんかゴミから悪化してませんか?!」


 あと、その王子はいったい何者ですか!


 この女にしか“ピッピッピー”しない女騎士にあてがわれかけるなんて! 僕なら、絶対に拒絶しますよ!


「あれはゴミで十分だ」

「ひどいですね。さすがに、この国の王様がかわいそうです!」


 強い二人の女騎士にゴミ呼ばわりされるかわいそうな王様。あぁ、ドングリを三万個くらいあげたいくらいです。


「わたしは絶対に許さないぞ!」


 突然、騒がないでくださいよ。びっくりするじゃないですか。


「何が書かれていたんですか?」

「クズノキを吹き飛ばしたことはまだ分かる。だが、アリシア様を誑かしたとはなんだ! オーク殿! いったいアリシア様と何をしたの「何もしてませんから!」

「ほんと?」


 その潤んだ瞳はやめてください。どなたの入れ知恵か知りませんが、一瞬、ときめきかけましたが、すぐにオークの哀れな末路を思い出してしまいましたよ!


「ほんとですよ。そんなことよりアスタシア教でしたっけ? たしかその宗教は勇者教会と違って亜人を認めていませんでしたっけ?」

「たしかにオークを崇める素晴らしい宗教だとは思うが、それよりもこの国の法律が問題なんだよ。亜人と結婚してはならないという法律があるんだ。まったく忌々しい。オークと結婚ができないなんて!」

「なら、あなたも僕とは結婚できませんよね!」

「そんなの関係ないだろ! わたしとオーク殿は結ばれる運命なのだ!」

「茶番で忙しいところ悪いが、オークを王都に連れて行って良いのか?」


 茶番って言わないでくださいよ! これは僕の命を懸けた戦いなんですよ!


「何を言っているのだ? 論外だ! 勅命であってもこの命令だけは許せない!」

「私はアリシア様を誑かしたのは極刑だと思うのだがな」

「ピギ!」


 いつの間にか誑かした設定がついていますが、どういうことなんでしょうか? 僕は魔性の男でも魔性の豚でもありませんよ。


 あと、ここ最近、アリシア様と会えていなかったのはそれが原因だったのですか!


「まぁ、私にもレイラがゴミ程度の手紙だと言うこと聞いてくれないと思っていたよ。だから、ある麗しい貴婦人から手紙をもらったのだよ」


 ツインテールの女騎士さんは突然、鎧を外し、胸元から手紙を取り出しました。


 えっ? 谷間に手紙を挟む人なんて見たことないんですけど!


 たしかに、谷間にナイフを挟んでいる危険な人は見たことあるのですが、手紙は今まで見たことがありませんでした!


 あと、スレンダーだったのは、その鎧のせいだったのですね。うっかりスレンダーだと表現してしまいました。


 ところで、どうして王様の手紙と違って、その手紙は胸元から出すんですか! 送り主が女か! 女だからか!


「なんだ? その、お前の褒め方がいつにも増して気持ち悪くてしょうがないのだが……」


 あれ? 手紙を読んで表情が固まったぞ? おーい。元気ですか?


「いやーー! そ、そ、それだけは! それだけはーー! 後生ですから許してください!」


 なんか泣き喚いていますが、その手紙にはいったい何が書かれているのでしょうか!


「言うこと聞いてくれるか?」

「無論だ」


 レイラさんはそう言うと、いきなり僕に近寄って抱き着きました。


「いきなり何ですか。人に抱きついてきて、苦しいんでふべー!」


 ******


 哀れにも鎧を身に纏った女騎士にハグされたオークが意識を失った後、レイラさんは溜息を漏らしました。


 そんな彼女を見たツインテールの女騎士はこう尋ねました。

 

「私がやった方がよかったか?」

「お前の場合は首を斬ってしまうだろ? それはダメだ」

「ちぇーっ! アリシア様を誑かしたんだ。極刑で当然だ」


 ツインテールの女騎士は頬を膨らませました。そんな彼女を尻目にレイラさんは憂鬱そうな顔をしました。


「しかし、これはとんでもないことになった。今すぐ王都に行かねばなるまい」

「お前の重大事って案外小さいんだな」

「小さいわけがないだろ! あぁ、王都に行くのが怖い。いったい何を言われるのだろうか?」

「そんなに怖いなら、私が手取り足取ゲブー!」

「お前はいつになったら女にいやらしく触る癖をやめられるのだ!」

「それは不可能だ。人が飯を食わなければ死んでしまうことと同じ道理なのだ」

「はぁ……」


 意気揚々とおかしなことを主張し始めた女騎士に、レイラさんはまた、溜息を漏らすのでした。


二章完結しました。


舞台は王都に移り、益々強烈なキャラクターたちがオークに襲いかかることでしょう。


ほかに色々と書きたいものがあるので、「オーク」の三章は六月からスタートになります。


それに、四月からはストックなしの即興執筆生活が続いていたので、せめて10話くらいストックを持っておきたいんですよね。だから、続きを読みたい方は六月まで待ってください。

それまで気長にお待ちくださいませ。


あと、二章の完結記念登場人物紹介ですが、まだ書いていません。

たぶん、五月中には載せられると思うので、こちらの方も気長にお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ