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066.唐突な宣戦布告

 

 どうもオークです。


 最近、レイラさんが四六時中へばりつかれているオークです。


 勿論、過ちはあってはいけないのでメイドさんが夜には回収しに来るのですが、僕はここ最近、レレミナちゃんには近づけないでいるのです。


 一度でもレレミナちゃんに近づくものなら、レイラさんが僕の腕を掴んで遠くに放り投げてしまうのです。


 いや、あなたレミオラさんじゃないでしょ? なんで僕を勝手に投げようとするんですか!


 ほんと、いきなり掴まれたと思ったら、かなり遠くまで飛ばされますからね。ほんと、僕は不幸ですよ。


 レレミナちゃんとも話せず、四六時中レイラさんに監視されて、レレミナちゃんの半径10メートル圏内に入ると投げられる。あぁ、誰でもいいから助けてくれませんかね。


 さて、今日もレレミナちゃんに近づこうとしたため、遠くに飛ばされて門の方まで来てしまったのですが、何やら物騒です。門の外でいつものように誰かが叫んでいるようです。


「お、お、お、お、おい! アンドルセン家の者たちよ! 吾輩はクオーツェルである。かの有名なローズブロッド家の当主であり、魔王軍第7大隊の大隊長であるぞ!」 


 どうやら、精神的におかしいところのある人が外から叫んでいるようですね。特にツッコむところもなかったので、続きをどうぞ。


「今、屋敷を第七大隊で取り囲んでいる。解放してほしければ、オー……って、何だ! いきなり人の眉間にめがけて吹き矢を放ったやつは!」

「あいつやる。オークより注意力はある」

「あ、あなたはいつぞやの!」


 そうです。僕に吹き矢を放った髪が緑色の方の少女です! 以前、心を読む少女と共に僕に絡んできたような気がしなくもないのですが、あの吹き矢以来接点はほとんどありませんでした。よーし、こうなったら、文句を言ってやる!


「今、あいつを殺すから邪魔しないで」

「ひどいじゃないですか!」

「おい! 人が口上を述べているのにいきなり吹き矢とは何事か!」


 それって、たぶん、あなたが弱そうに見えたからじゃないですか?


「だって、魔王軍の大隊長なんだろ? それくらい避けて当たり前じゃないのか?」


 空を見上げると、いつものように黒蜥蜴に跨ったキーラさんがいました。


「お、お、おい! あれはあの黒龍ではないか! いつの間にメイドにまで忠誠を誓っておるのだ!」


 僕も不思議に思っていたんですよ。一応、空飛ぶ大きな黒い蜥蜴なのにどうして強いお嬢様よりもメイドさんに忠誠を誓うんでしょうね?


「さぁな! で、お前は何をしに来たんだ?」

「それはかの有名なバカ王女がお前たちと手を組んだという情報を聞きつけたからなのだ!」

「そんなわけないだろ! あんな小物に従うオレ様達じゃないぜ!」

「えっ? そうなの?」


 あれ? 情報に齟齬でもあるのでしょうか? なんかレミオラさんを必死に探しているようですが、どこにもいませんね? あっ、後ろにいました。


 けれど、話しかけようと思ったら、虫けらでも見るような目で僕を睨みつけてきました。どうしてそんな目で僕を見るんですか! あんまりじゃないですか! 


「何を驚いているんだ? オレ様達があの頭のおかしいやつに従うくらいなら、そこのオークと仲良くした方がましだぜ」

「ひどいじゃないですか!」


 なんで僕があの王女様と比べられなくちゃいけないんですか!


「とにかくさっさとオークをこちらによこせ! さもなくば戦争になるぞ!」

「あぁ、望むところだ! オーク殿を骨ごときに渡すわけにはいかない!」


 あっ、レイラさんが出てきた。いつもの重装備で豚の顔の旗を掲げて立っていました。


 えっ? あれって、僕じゃないですか! なんで人の顔を勝手に使っているんですか! 肖像権の侵害ですよ!


「えっ? まじ?」 


 どうやら、取り囲んだら降伏してくれるものだと思ったようです。甘いですね。もし、そんなことが通用するなら、僕の同胞たちは死んでいませんよ。


「おい! ちょっとレミオラ! こっちに来い!」


 あの骨がそう言うので、みなさんが一斉にレミオラさんの方に向きました。


「えっ? 私、あんな気の狂った人と知り合いじゃありませんよ」

「なぜなんだ! なぜ吾輩を見捨てるのだ!」

「だって、私は魔王様に忠誠を誓っているので」

「わたしもだよ~!」


 おぉ! 久しぶりにレレミナちゃんのご尊顔を拝見しました。あぁ、尊い。涙が止まりません。


 ちょっと! レミオラさん、人の脇腹を抓らないでください! 僕がデレデレしているからつい嫉妬しちゃったとしても痛いのでやめてください! なんでますます強くなっちゃっているんですか!


「な、な、なんということだ。レレミナまでもあそこにいるとは! これは悪夢なのか!?」

「総員戦闘準備!」


 レイラさんの合図でメイドさんたちが一斉に短剣を構えました。——ちょっと物騒じゃないですか?


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待て! せ、せ、せ、せ、戦争するのはまだ早い! せ、せ、せ、宣戦布告から一時間も経っていないだろ!?」

「「「は?」」」


 この骨はいったい何を言っているんですか? 


次回、067.魔王軍第7大隊出陣!

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