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050.和食探求その2~米大夫の物語~

祝50話達成! イェーイ!


「これが和食ではないのでござるか?」

「これですよ。これ! これは和食ではなくて、昆虫食ですよ!」


 最近、昆虫食は体にいいので人気ですけどね!


 お前は雑食ではなかったのか? ですって?


 最近、甘やかされていたので、雑草も美味しくなくなりましたよーだ! キーッ!


「たぶん、この米はあなたも食べているはずでござる」

「そんなわけが……」


 そういえば、あの乳粥、なんかプチプチしていたような気が……。——まさか!


「乳粥の時は頭を切り離しておいたでござるからな。それに、腑抜けた面で食べさせてもらっておったでござるからな」

「ふ、腑抜けたってそんな顔じゃありませんよ……。——ところで、ビアンカさん。どうしてそんな顔しているんでしょうか?」

「決まっているじゃないですか。あなたの顔が気持ち悪いんですよ」

「愛らしい子豚の顔をしているじゃないですか! ほら! この顔のどこが気持ち悪いんですか!」

「わたしにはあなたの顔が太った悪徳貴族の顔にしか見えませんが?」

「ノーン!」


 悲しいです。意中の人にそんなことを言われるなんて悲しいです。


 しかし、気持ち悪いと言われるのには慣れています。むしろ、この顔を好む層がいることがおかしいんですよ。


「まぁ、森暮らしの豚が知らぬのも無理もない話でござる。これは30年かけてコメを探した一人の勇者によって得られた産物でござるよ」

「いや、そんな勇者の話聞きたくありません」


 ほら、今、この芋虫を野沢菜もどきで包んだものを認める勇者なんてダメでしょ!


 野沢菜を作った人に謝ってくださいよ!


「意地でも聞かせるでござる」


 ロリ料理長は即座に僕をまるで焼豚のように縛り上げました。


「えー!」


 なんで縛る必要があるんですか!


 あと、なんか器用だね! もっと別のところでその器用さを使おうよ!


「それはそれは昔のこと。ある勇者が『小生、お米が食べたいでござる!』といったのでござる」

「へー。それで?」


 そんなことより早く解いて欲しいですよ。ほら、お腹の辺りが特に食い込んでいるんですよ。


 ビアンカさーん。助けて!


「その勇者は二十年かけて王国中の雑草を探しました」

「魔王を倒さなくちゃいけない勇者が二十年もそんなことに道草食ってていい場合なんですか!」


 ほら、クズノキ君なんて頑張っているじゃないですか。


 毎回、魔王様にぶちのめされていますが、頑張っていますよ! 彼は!


 しかし、美人にぶちのめされていると考えると、なんだか腹が立ちますね。


 ——次、会ったら叱っておきましょう。


「食を探求するものなら許されるのでござる」

「そんなの聞いたこと無いよ!」

「結局、見つけれなかった米大夫はある雑草に纏わりついた芋虫に目をつけたのでござる。それがこのライスワームでござる」


 彼女は大きなコック帽から雑草に纏わりついた芋虫を僕に見せました。——って、どこから出してんの!


「それにしては大きいよ! っていうか、その勇者は米大夫って言うの?」

「あだ名でござる」

「そうだと思ったよ!」

「話を続けるでござる。されど、彼は気が狂っていたのか、『これを炊いたらごまかせる』って思ったらしいのでござる。試しにこの虫を炊いたところ味が近かったらしいのでござる」

「それで野沢菜の中に入っていたあれが大きいんですね」

「ただし、それが大きすぎたらしいのでござる」

「それで、普段は子供を使っているとか言うんじゃないでしょうね」

「ザッツライト!」

「うげー!」

「ちなみに、これは死に、コホン。大きくなりすぎたので、処分ついでに出したものでござる。ちなみに、頭もつけると栄養価も高いのでござるよ」

「そんなの僕は求めていませんよ!」


 おや、老衰を目覚めているんじゃなかったのかな? ですって?


 はぁ? そんなの一日くらい贅沢してもいいじゃないですか! 人生いつ死ぬか分かりませんよ!


 僕は経験者ですからね。それくらい十二分に分かっているのですよ。


「さて、お主が違うと言ったのはどこでござるか?」

「肉がないんですよ! 肉が!」

「肉? そんなのが必要なんでござるか?」

「必要ですよ! コメみたいな味がする虫は置いときましょう! 和食といえば、すき焼き、肉じゃがなどのメジャーなものがあるじゃないですか! だから、肉が無いのは許せませんよ!」

「肉じゃが? そんなものは知らないでござる。とにかくこの本を見てほしいでござる」


 ロリ料理長は大きなコック帽から古びた本を取り出しました。——って、また、どこから出してんの!


「なんか古びた本ですね。それがどうかしたのですか?」

「これはあの米大夫が残した本なのですが、あまりにも達筆で誰にも読めなかったのでござる。片言も言っていたのでござるが、ひょっとすると、お主が読めるのではないか? と思っているのでござるよ」

「なんか腹立ちますね。ふむふむ『肉など勇者の修行には必要ない! 少年少女、虫を食うのだ!』って、何やってんだよ! あの野郎!」


 ほんと、米大夫! 何やってくれてんの!


次回、051.和食探求その3!

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