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049.ちびっこ料理長と和食探求 

言っておきますが、飯テロはありません。

別の意味で飯テロかもしれませんが、気にしないで読んでください。

 

 どうも。オークです。


 あれからキーラさんにさんざんいじめられたオークです。


 あれから女騎士さんが骨との追いかけっこから帰ってくるまで僕はいじめられていました。


 ほんと、あの人が来なかったらあともう少しで豚カツにされるところでした。


 え? バカ言ってんじゃねぇよ? ですって?


 だって、体中に卵黄を塗られてパン粉をまぶされたんですよ!


 みんなで楽しく豪快クッキング〜! どころじゃありませんよ!


 それなら、普通豚の丸焼きでしょ!


 なんで豚の丸ごとカツ、略して豚カツなんですか!


 僕がいったい何をしたっていうんですか!


 さて、あれから僕は体調を崩してビアンカさんに看病されています。


 まぁ、数秒とはいえ、熱した油の中に放り込まれたら体調崩しますよね!


 そうそう鼻詰まりもひどいんですよ。今もパン粉が鼻の奥に残っている気がします。


 ほんと、僕は何をしたから怒られているんでしょうか?


 ところで、なぜビアンカさんに看病されているのか疑問にお思いの方がおられることでしょう。


 僕も彼女が手を上げて立候補してくれたのならうれしかったのですが、そうではありません。まったく悲しいことです。


 最初は女騎士さんに看病されていたんですよ。そりゃ、そうですよね。当然、あなたが看病しますよね。


 しかし、その看病は次第に怪しい方向へ行ってしまい、キーラさんが慌てて変質者レイラさんを運んでいきました。


 安心してください。僕の“ピー”は奪われていませんよ。


 その結果、渋々、ビアンカさんが僕の看病をしているわけですよ。


 ほんと、しかめっ面のまま看病してはいけませんよ。もっと、朗らかに明るく看病してくださいよ。


 さて、看病されて気づいたことがあります。


 それは出される食事がいつもヤギの乳粥であることです。


 たしかに乳粥はこういうときには出るべきものなのでしょうが、あいにく僕はだしがきいた卵の入った粥が好きなんですよ。


 そう。日本でよくあるお粥ですよ。


 いくら、美味しい乳粥を出されても、ここ二、三日ずーーっとヤギのミルク味のご飯を食べていると、フラストレーションもたまっていきますよ。


 このとき、僕は叫んでしまったのです。


「はやく和食が食べたい!」

「——ほう。オークの口から和食という言葉が出るとは……。拙者、これまで様々なオークを見てきたのだが、そのようなことをのたまうオークなど初めて見たでござる」

「ピギャーー!」


 いきなりなんですか! 今まで出てこなかったロリ料理長がどうして今さら出たきたんですか!


「そんなに驚いてどうしたのでござる? 拙者も和食を久しぶりに作りたくてたまらなかったのでござる」

「ぜひ作ってください!」


 僕はガシッと彼女の手を掴み、ぶんぶん振りました。


「しょ、承知したでござる」


 彼女は苦笑いしながら、答えました。


 いや〜。なんたる幸運! 


 この酷すぎる異世界に生まれて早二十余年。久しぶりの和食が食べられそうです!


「そんなに和食っていいんですか?」


 何ですか? その人をケダモノのように見る目は。いつも、そんな視線で見られていますが、さすがに今、そんな視線を向けられるのはなんか腹が立ちますね。


「いやぁ、和食ってそれはそれは美味しいものですよ。すき焼きに、肉じゃが、天ぷら、すし、甘いものなら、そう。おはぎとかありますね。ねぇ、ビアンカさん。あなたはそれらの美味しさを知らないんですか?」

「いや、勇者がこの世界に来てから最初の頃はやけに食べたがると聞くのですが、一度食べると二度と食べたくなくなると評判なんですよ」


 え? そうなの? なんか不安になってきたんですけど!


 ******


「なにこれ?」


 僕は首を傾げました。目の前にある料理があまりにも想像と違っていたのです。

 

「和食とは薬膳料理でござろう? 健康的でいいと思うのでござるが……」

「たしかにそういう捉え方は間違っていないかもしれませんが……。たとえば、これは?」


 僕は明らかに虫が茶色くなっただけの料理を指さします。


「イナゴを醤油なるもので甘辛く煮たものでござる。和食には欠かせないものでござろう?」

「僕はそれが和食に欠かせないものだとは聞いたことありませんが……。これは?」

「野沢菜という漬物ピクルスでおこわを包んだものでござる」


 へー、これは異世界なりのアレンジした和食なのかな? と思って、開いてみると中身は芋虫!


「おこわじゃないのかよ!」

「コメという穀物はこの国にはどうしても見つからなかったので、芋虫で代用したのでござる」

「へー。そうなんだ」


 いやいや、それよりも気になることがありますよ!


「さ、さっきから気になっていたのですが、お、お、お肉はどこにいったんでしょうか?」

「そんなもの、薬膳料理に必要でござろうか?」

「これは和食っぽいけど、僕の想像した和食じゃなーーーーい!」


次回、050.和食探求その2!


その2ということは果たしてその3もあるのか? それは半にも分かりません。

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