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048.あの手この手でスカウト攻勢

 

「どこに連れていく気なんですか?」


 僕は冷たい目で骨を見ました。


「決まってんだろ! 魔王軍の領地だよ!」

「いや、僕、クロフグの森に帰りたいんですけど」


 なんで僕が魔王軍に就職している体で話しているんでしょうか? ちょっと頭が壊れているんじゃないですか?


「なんでお前、森に戻りたいんだよ! そもそも、クロフグの森はこいつらの庭だぞ!」


 え? あそこはオークの庭じゃなかったんですか?


「てめぇ、知らなかったのか? 楽しいアスレチックが出きていたのに気づかなかったのかよ」と、キーラさんは溜息を漏らします。


「人を騙し殺す気満々の罠を楽しいアスレチックって言うなんてあんた以外にいねぇよ!」


 あんた以上に人を虐めるのが好きな人なんてこの世にいるのかよ!


「あらあら。みんなで愛を込めて作ったのに、そこのビアンカちゃんも一緒になって作ってくれたのよ? それなのに、ひどいわ」

「い、いや、そんなこと言われても僕はほだされませんよ!」


 ちょっと、眼鏡の奥のその目はなんですか! 


 なんでここでハイライトが消えるんですか?


 ひょっとして僕のことが「好きじゃないよ」


「ちょっと邪魔しないでくれませんかね? 僕は大事な話をしているんですよ?」


 ほんと、心を読む系ロリは今必要ないんですよ。それよりもビアンカさんの言葉が欲し「いえ。この子の言うとおりですよ」


「もういやだ。森に帰りたい」

「じゃあ、レミオラつけるから来てくれ!」

「え? その手も通用しませんよ? だって、あの人、レズでしょ?」


 ほら、そこのロリが言ってましたよ。


「え? あいつがレズ? そんなわけがない。確かにその手の“ファンファン”小説はあったが、それ以外にもあったはずだぞ? 駆け落ちとか、衆道とか、そうそう。オークに蹂躙される女サキュ「これ以上は言ってあげないで!」


 要するに彼女がオールマイティな方だっていうことは分かりましたからこれ以上彼女がいないところで言わないであげてください!


 そうだ! 話を変えればこれ以上レミオラさんの恥ずかしい話を聞かなくて済む!


「そういえば、以前あなたの分身の魔石を拾ったのですが今はどうなんですか?」

「分身? そんなものがあったかな?」

「じゃあ、試しにあなたの心臓を突き抜いてもいいですか?」

「——吾輩はその手の趣味は無いのだが?」

「僕もありませんよ! 文字通りの意味だよ!」


 どうしてそんな勘違いするんですか! さすがの僕も背筋が凍ってしまいますよ!


「そ、それだけはやめてくれ! さすがに、そ、そ、それを使ったら心証が悪いから、お、お、お前の目の前では使わないことにしているんだ……」

「じゃあ、分身じゃないんですか?」

「ぶ、分身ではない、はずです」


 そうですか。なら、懐に隠してあるキング君を取り出しましょう。彼は僕以外の生き物が信じられなくなったそうです。だから、触れた生き物(ただし、僕を除く)の皮膚をボロボロにしてしまうのですよ!


「やめてくれ! 今どきそんなことをしてはいけないぞ! これはそう。DVだ! DV!」

「そもそも、僕とあなたは家族じゃありませんよ?」


 僕は手を出すのではなく、キング君を出すだけですよ。


「これは言葉の綾だ。それほど仲がいいという意味で」

「かわいそうな骨。家族みたいにオークを大事に思っているのに、思いが一方通行なんだからね」

「「黙れ! ロリ!」」

「うえーーーーん!!!」


 え? どうして泣くんですか? 意味が分かりませんよ!


「さすがに、それはダメじゃないですか。彼女は一応、16歳のはずですからそんなこと言ってあげないでください。心の中の悪口なら大丈夫なのですが、彼女は実際に言われると心がおれちゃうんですよ」


 これはまずい。これ以上ビアンカさんの僕に対する印象を下げるわけにはいきません。


「す、すみません。飴を上げるから勘弁してください!」

「そ、そうだ。この魔王様人形があるんだ。これで泣き止んでくれ」

「うえーーーーん!」

「そんな人形出されたら、怖いじゃないですか! なんですか? 悪魔ですか?」

「これは歴とした魔王人形なんだぞ!」

「え? 魔王人形って本当にあるんですか?」

「あるに決まっているだろうが。まぁ、これは先代の物だから少しいかついところがあるのだが、言っておくが魔王様は超絶美女だぞ! ただ魔王様が人形を我々に作らせないだけなんだ!」


 いや、ふつう恥ずかしいでしょ。っていうか作らせるここの王国の王様がおかしいんですよ! ここの危険人物たちを放っておくのもそうですし、とにかくひどいんですよ! ひどすぎますよ!


 ——待てよ?


「魔王様は超絶美女なんですか?」

「そうであるが、なぜそれを尋ねる?」

「そりゃ、気になるじゃないですか。逆に魔王様がこんな怖いやつだったら嫌じゃないですか」

「いや、ふつうこういうものじゃないのか? そもそも、今の魔王様が強すぎるから違うが、普通の魔王はこういう姿をしているぞ」


 えー。典型的な魔王なんて異世界に合わないでしょうが!


「なんて顔をするんだ!」

「いや、そんなことよりも本当に美女なら魔王様を紹介してくれません?」

「え? いいのか? お前の後ろにいるメイドたちがお前にへばりついて……。特にあのロリなんて噛みついているぞ」


 はじめてここに来ていい思いをしました。


 あぁ、メイド長さんはいら、いててててて! つねらないでくださいよ! 痛いじゃないですか!


 あっ! いつの間にかロリが噛み付いている。それも二人!


 紫の方は飴を舐めていたんじゃないんですか!


 緑の方はすみません。よく覚えていません。はじめましてでしょうか?


「さすがにそんなこと言っちゃダメでしょ! さっきから噛む力が強くなっていますよ!」

「いや、さすがに噛みついているのは怖い! っていうかそんなことされたら吾輩死んじゃう!」

「肉ないからですか?」

「そ、そうではないぞ! おい、そこの赤髪女! やめろ! さすがに大剣を使うんじゃない!」

「どうせ傷一つつかないんだから問題ないだろ!」

「いやー!」


 どうして僕なんですか? そこの骨でしょ! 絶対骨を退治しないといけないでしょ!


「なんだ? 騒々しいが、何かあったのか?」

「メシアー!」

「なんだ? 急にへばりついてきて。らしくないぞ、と言いたいところだが、これはなかなか嬉しい」


 ちょっとメイドさんたち! その目はなんですか? その変態を見るような目は!


「ひ、ひとまず今日はお暇しようと思い「なぜ逃げる? スケルトン」


 逃げようとした骨は立ち止まって180度回転しました。


「お前には話したいことが山ほどあるんだ。ちょっとは話を聞いてくれよ……」

「いやーーーー!」

「にげるな! 骨! お前はオーク殿とあんなことやこんなことを#’#%$”’#」


 そう言ってレイラさんは骨を追いかけていくのでした。


 さて、何言っていたんでしょうか? あの人は。


 まぁ、今日は優雅にお茶でもしましょう、か?


「なぁ、分かっているよな? お前、お嬢を裏切ったよな?」

「キ、キ、キーラさん。な、な、な、なんのことでしょうか? あれ? いつの間にか鎖が僕の体に?!」


 あれ? 外れない。どうして? 何でですか?


 それにみなさん。帰らないでくださいよ!


 ビアンカさーん。待ってくださいよ!


「さぁ、楽しい調教の時間だ!」

「いーーやーーーー!」


次回、049.ちびっこ料理長と和食探求


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