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100.別れの挨拶

お久しぶりです。

先週は忙しくて投稿ができませんでした。

 

 どうも、オークです。


 判決が出た途端、王都から追い出されることになりました。


 そして、王都を離れる前日。とある貴婦人にバケモノとのお見合い話を持ってこられました。


 あの後、男を落とすコツをバケモノに教えに行かれてしまいましたが、この後、どうなるのでしょうか? 不安しかありません。


 そもそも、あのバケモノと結婚しなければならないなんてとても迷惑な話です。


 たしかにあの人の見てくれがいいことは認めますよ。


 ただ、オークを見かけたら手当たり次第襲いかかる謎の習性がダメなんです。いつかいろんな意味で食べられてしまいそうです。


 さて、そんな哀れな子豚である僕は手早く身支度を済ませ、バケモノの飼育員メイドさんたちと解体屋のおじいさん、そして、レミオラさん、犬さんと屋敷の門の前に立っていました。


 ──あれ? そういえば、おじいさんはどこで何をしていたんですか? 正直、あの恐怖の三日間以外にこの人を見た記憶はありません。いったいどこで何をしていらしゃったのでしょうね?


 あと、犬さん。さっきから僕の脛を齧るのはやめましょう。美味しくないですよ。──ほれ。あなたの大好きな骨で、痛い痛い痛い。そこは手ですよ! ほんと躾がなっていませんね! 後で再教育をした方がいいと思いますよ!


 さて、どうして門の前に立っているのかと申しますと、これから迎えの馬車が来るそうなのですが、収穫祭が終わってそれほど時間が経っていないためか、渋滞に巻き込まれて時間通りに来れなかったのです。


 なら、屋敷の中で馬車が来るまで待てばいいのですが、どうもこの屋敷のお姉様方が「お嬢様との別れの挨拶がしたいのです」とバケモノさんに懇願したため、今、一人一人と握手と抱擁をしているわけです。


 あれ? これって、時間かかりません? 絶対にかかるでしょ。馬車が来ても、続きますよね。


 ちょっとこれはめんどくさいことになりましたね。


 いったいいつまで続くのでしょ「英雄王様!」

「こ、この声は!」


 なんと、アリシア様が僕の目の前に立っているではありませんか! てっきり、ミイラたちにミイラにされているのではないかと思っていましたよ!


「オー! ユーは聖女様ではありませんか? また、盲信者共を呼び出さなければいけませんか?」

「彼らは後片付けで忙しいのですよ。だから、あなたがどんなに大きな声で叫んでも5、6分はかかりますわ」

「ところで、何しにここに来られたのですか?」

「勿論、別れの挨拶です。と言っても、これからは毎日会いに行きますけど」

「えっ? あのミイラさんたちはどうするんですか?」

「ユーはアンダースタンドしてませんね。あれは盲信者です。決してマミーではありません」

「いや、あのやつれて頬こけた顔のどこがミイラじゃないんですか! あのときとっても怖かったんですよ! って、どうしてアリシア様が泣かれるのですか!」

「だって、英雄王様に心配されたのですもの。それが嬉しくて嬉しくて」


 それは嬉しいのですが、ちょっと泣くのはやめてもらいませんか? 飼育員メイドさんたちがかなり冷たい目で僕を見てくるんですよ。だから、やめてー!


「ここに美少女の気配がするー!」


 なにやら、怪しい女騎士が木の枝から落ちてきました。──あぁ、例のツインテールか。


「キャー!」

「って、どうして女好きであるはずのあなたがここに来たのですか?」

「本当はレイラとの熱い抱擁をしに来たのだが、あんな感じだし、まぁ、同郷のよしみだからついでに挨拶しておこうかと」

「そんなのはいらん! 帰れ!」


 そもそも、前世で一度もあなたのような変態には会ったことがありません!


「おー、私はオークにひどいことを言われた。アリシア様、私を慰めてくれませんか?」

「生憎、私は女性とそのような関係にはなれませんの」

「そんな……」

「さぁ、帰った。帰った」

「やぁ、オーク君。うちのバカ妹とは仲良くしていたかい?」


 あらあら。今度は僕を聖水サウナで蒸し殺そうとした悪い近衛騎士様であるエドワードが現れました。


「そんなわけないでしょ。あと、どうしてここに来ているのですか!」

「妹との別れの挨拶をしたいから仕事を休むと言ったら快く休みをもらえたのでね。まぁ、会わないのもよくないから顔を出そうと思ってね」


 そして、さっきからアリシア様に近づこうとするツインテールの襟を掴んで


「それと、こいつの回収をしに来たんだ」

「すまん。私は美少年には興味はない。女になってから来てくれないか?」

「──お前はいつになったら、私の年を覚えるのかな?」

「訂正しよう。美中年には興味はない。マダムならオッケーだ」

「──まぁ、とにかくこいつを元の職場に戻してから、私は束の間の休息を過ごすよ。バカ妹によろしく言っておいて」

「──えぇ、お元気で」


 僕がそう言うと、彼はツインテールを掴んでスキップしながら去って行きました。そんなに休みを喜ぶなんて……。近衛騎士団長の仕事は辛かったんでしょうか? 今度会ったときは一緒にお酒でも飲みましょう。


「──お前はなぜそれほどまでに人と仲がいいんだ?」

「ぴぎゃあ! 骸骨が喋った!」


 今度はなんですか! また、僕を怖がらせに来たのですか!


「骸骨ではない。OHKのものだ! それにお前には何度か会ったことがある」

「あぁ、あのときの。──あれ? たしかあの組織はテロ組織として潰されたのでは?」

「私は逃げ切れたのだ。それにここの使用人もしていたからな。なんとか生き延びた」

「あんたが僕を捕まえた張本人だったのか!」


 レイラさん! 取りこぼしがありますよ! 今すぐここに来てとっちめてください!


「まぁ、しばらくは組織の復興をしなければならない。だから、お前はしばらくの間、見逃してやる」

「別に見逃されなくても、また、あの結果になると思いますよ」

「次はもっと強力な呪文を用意してお前を追い詰めてやる!」

「あれだけはやめて! 意味わからなかったから!」

「オーク殿。さっきからどうして女性とそんなに仲良く話しているのだ?」


 ──レイラさん。どこが仲良く話しているように聞こえるんですか? 耳が壊れていませんか?


「そうですよ! 英雄王様には私がいるではないですか!」

「そうなの? なら、レイラ。あとで聖女様の隙が微塵も入らないほど親密になりなさい」

「分かりました。母上」

「なにそれ! とっても怖いんですけど! これからなにが起こるんですか!」


 ほんと、あの屋敷に帰るの怖い! 誰か助けて!


「みなさん、馬車が来ましたよ」


 ビアンカさんの声がしたので、振り向くとそこにはどこかのお姫様が乗るようなファンシーな乗り物がありました。


「これってカボチャの馬車じゃないですか! どうしてそこまでカボチャを推すんですか!」

「別にいいじゃないか。収穫祭からこの馬車に乗って帰るのがこの国の慣わしなのだ」

「そんな慣わしいりませんよ!」

「さぁ、オーク殿。わたしと同じ馬車に乗ろうではないか」


 えっ! 嫌なんですけど! それなら、レミオラさんとビアンカさんとアリシア様と一緒に乗りたいです!


「すみません。お嬢様」


 ビアンカさんが申し訳なそうな声でお嬢様に話しかけました。


「なんだ?」

「席はすでに決められております。そのため、お嬢様とそこの豚は別の馬車に乗ることになります」

「なんだと! わたしはオーク殿と同じ馬車に乗りたいんだ! 一緒に微笑みながら、景色を眺めたいんだ!」

「どうせ見えるのは田園ばかりではないですか。それに、馬車に乗る機会ならいくらでもあるじゃないですか」

「それならいいのだが……」


 悲しそうな顔をするレイラさんを見たアリシア様がポンと手を叩いて


「では、私が同じ馬車に乗りましょ「カモーン! 盲信者共」

「聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様、聖女様「いやーーーーーー! 英雄王様、助けて!」

「すみません! そこにいるバケモノが掴んで離れないんです!」

「そ、そんな……」


 僕はアリシア様がミイラたちに拐われていくのを見ることしかできませんでした。


 あぁ、神様。どうして僕にこのような不幸ばかりを与えるのですか! もう少し幸せを与えてくださいよ! 


「なぁ、オーク殿」

「なんでございましょうか?」

「さっきからわたしのことをバケモノ呼ばわりしているが、失礼ではないか?」


 うむ。ここで言うと、まずいことになりそうですね。いろんな人たちに殴り飛ばされそうです。


 いえ、この際、はっきりと言ってしまいましょう! そして、彼女に嫌われましょう!


「い、いえ、別に失礼ぶ、べぎゃああああ!!」


 なぜきつく抱きしめるんですか! 腕が潰れちゃいますよ! 


今週も忙しくなりそうです。

そのため、次回は木曜日か金曜日に更新する予定です。

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