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096.助けられても……

 

 どうも、オークです。


 どこかの脳味噌の小さい黒蜥蜴のアクロバット飛行に巻き込まれて、死にかけたオークです。


 あれはトラウマになりました。


 あの後、メイドさんたちに文句を言いましたが、『はぁ? 一応、あなたをくくりつけておいたから安全でしょ?』と、突き返されました。


 僕は荷物なんですか? 喋る荷物なら、少しは気を使うでしょ!


 そして、レイラさんが鎧を赤く染めて帰ってくると、メイドさんたちに指示を出しました。


 すると、僕はメイドさんたちにぐるぐる巻きにされて、そのまま独房の中に放り投げられました。


 鎧を真っ赤に染めているだけでも、『この人マジでヤバい。どこか気が狂っている』と、心の中で思っていたのに、こんなに愛らしくてかわいい愛玩動物である僕を独房に閉じ込めるなんて何考えているのでしょうか?


 まさか、あまりのかわいさに独房に閉じ込めたかったのですか?


 ないない。


 人もオークも手当たり次第ぶちのめす機械がそんな博愛の心を持ち合わせているはずがありません。


 仕事に忙しくて、自分がお祭りを楽しめないから、僕も楽しむな、と思っているに違いありません!


 ところで、この独房は一応、小窓があります。


 王都ではほぼ地下牢かハーブがたくさん置かれたサウナに閉じ込められていたものですから、こうして少しだけ小窓があるだけでも閉塞感がなくてありがたいです。


 さて、外を覗きますか。


 少しジャンプしてよじ登れば、なんとか外を見ることができそうな高さですからね。


 さて、いち、にー、さーん!


 おっと、あともう少しで小窓の鉄格子から手を滑らせて地面に落ちるところでした。


 ふー。危なかった。


 うむ。なにやら、騒がしいですね。


 どうやら、みなさん、庭で宴会を開いているようです。


 えっ? まさか、僕を閉じ込めた理由ってこの宴会に参加させないためだったのですか?!


 そんなのあんまりですよ! 僕も少しは楽しみたかったですよ! まぁ、喋る相手が犬さんしかいないんですけど。


 しかし、恨めしいですね。人が独房の中に閉じ込められていると言うのに、この屋敷のみなさんはそんなこともお構いなしに踊って、歌って、騒ぐのですか。


 まったく、ひどいですね。


 だから、僕をあんな危険なアトラクションに乗せることができたんだ! 


 あぁ、ほんと、恨めしい! ここから出られたら、絶対に誰か僕の言うことを聞いてくれそうな人を捕まえて、騒いでやる!


 ******


「で、そのまま、眠ってしまって手を鉄格子から離してしまったから、骨を折ったっと」


 一人、独房で泣いて過ごした夜が明けました。


 そのとき、僕はとある事情で骨を折ってしまいました。そのため、レミオラさんに看病してもらっています。


「別に、僕はレミオラさんに看病してもらいたくてそうしたわけじゃありませんよ」

「そんなことは聞いていません」

「はい」


 ほんと、冷たいな。少しは言葉のキャッチボールをしましょうよ。勝手に話の流れを止めないでください。


「ところで、あの後、OHKがどうなったのか気になりませんか?」

「気になります。そもそも、どうして僕がここにいることがバレたのですか!」

「どうやら、OHKと勇者教会が繋がっていたそうなのです」

「まぁ、そうでしょうね」

「あなたの存在を知ったOHKはその後、屋敷の近くを見回っていたそうなのです」

「そしたら、3メートルはある大男が犬の獣人を連れて歩いているところを目撃したそうです」

「えっ! あのときなの!? 変装は完璧だったはずですよ!」

「逆に、あの変装のどこが完璧なのですか? バレバレですよ。特に人の倍大きい大男などこの世には魔物しかいませんよ」

「これくらい大きな人はいないのですか!?」


 オークイーターは? あれは何なの? 何で大きくなってるの?


「いませんよ」


 そういえば、あれは巨人族の末裔でした。ただ、大きくなる特殊能力を持った変態でした。


「じゃあ、どうしてあの姿でミカエラさんは僕を外に出したんだ!」

「『ファニーだったから』と言ってましたよ」

「あいつ、後で僕の宴会に巻き込んでやる!」

「そんなことより、彼らがどうなったのか聞かないのですか?」

「どうせ、あの人にぐちゃぐちゃにつぶされたんでしょ? それ、犯罪だと思うのですが……」

「彼らはテロ組織に指定されていたので、殺しても問題ありません」

「そんなこと言ってあげないでくださいよ! 彼らは被害者なんですよ!」

「領主の一人をオークと勘違いして屋敷を襲撃し、殺しても被害者と言えるのですか?」

「いえ、まったく言えません!」 


 すると、処置が終わったのか、レミオラさんは後片付けをはじめました。


「腕は固定したので、後は治るのを待ってください。まぁ、治る前に審判が下ると思いますが」

「えーっと、それはあと何日ですか?」

「祭りは昨日で終わったので、少し日を開けて五日後になりましたよ。聞いていなかったのですか? では、失礼します」


 彼女は救急道具をまとめると、独房から出て行きました。


「ちょっと待って! 僕を一人にしないでください! もう少し話しましょうよー!」


次回は明後日更新予定です。

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