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異世界もコネ次第!~王立貴族学園魔法学科へようこそ  作者: 武蔵野純平
第三章 ようこそ! パルシア戦役へ!

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第四十三話 状態異常回復キュア

短いですが、書き進めます。


 俺は将軍ハカムの首を胴体から切り離し、髪の毛をつかんで持ち上げた。

 ズシリとした重さが腕に伝わる。

 人の首ってのは、意外と重たいな。


 大天幕の中で生きているのは、俺と女魔法使いと炊事番だけだ。

 炊事番は気を失ったままだし、女魔法使いもあきらめておとなしくしている。


「そこにいろ! 後で迎えを寄越す! と言っても、言葉がわからないよな……」


「わかり……ます……」


 女魔法使いは、大陸北部語で答えた。

 たどたどしい口調だが、どうやら俺と同じ言葉が話せるようだ。


「言葉がわかるのか?」


「少し……」


 へえ。なら話は早い。


「お前は殺さない。そこで待っていろ!」


「わかった……」


 女魔法使いは捕虜にしてくれって、マックスウェル先輩に頼まれたからな。

 俺としては、ここですっぱり殺した方が、後腐れがなくて良いと思うが……。


 まあ、世話になった人の頼みだからな。

 俺は約束を守る。


 片手に将軍ハカムの首をぶら下げて大天幕を出る。

 騒ぎを聞きつけてパルシア帝国兵が大天幕前に集まっていた。


 将軍ハカムの首をゆっくりと持ち上げ、大天幕前のパルシア帝国兵たちに見せつける。

 パルシア帝国兵が目を見開き、息を呑み、後ずさりを始めた。


「お前らの将軍は死んだぞ! そしてお前らも死ね! アースランス!」


 地面に手をつき魔力を流し込み、地中の土のエレメントと魔力を反応させる。

 硬化した無数の土の槍が地面から突き出し、パルシア帝国兵を次々と刺し貫いた。


 なぜアースランスなのかって?

 見せしめだ!


 こうして無数の土の槍に生きたまま貫かれて、血を流し死んで行く。

 侵略者どもに似合いの最期だろ?

 この位やっておけば、パルシア帝国もしばらくは、大人しくしているだろうさ。


「さあ、アースランスで串刺し祭りだ!」


 俺は更に地面に魔力を送り込む。

 大天幕を中心に円を描くように魔力を広める。


 聞こえるぞ……。

 土の槍が地面から盛り上がる音。

 土の槍に刺し貫かれ悶え苦しむパルシア帝国兵の声。

 さあ、もっと俺を酔わせてくれ……。



 *


 パルシア帝国兵を皆殺しにするのに、十五分程かかったかな。

 カルソンヌ城の方にいる友軍に魔法をあてないようにするのに、それなりに気を遣った。

 ドラゴンの『アオ』に乗ってカルソンヌ城の先にある宿営地へ向かう。


 ああ、朝日が昇る。

 串刺しになったパルシア帝国兵を朝日が照らし、血まみれのオブジェをカルソンヌ城の友軍に見せつけている。


 みんなきっと喜んでくれる……かな?

 ふふ……驚くかな?


 宿営地に着くと直ぐに軍議が行われる大型のテントに通された。

 早朝なのに大型のテントには人が集まっている。

 ジャバ先生とアメリアもいる。


「アルト! ひいっ! それは……!」


 アメリアは俺が持つ将軍ハカムの首を見て短く悲鳴を上げた。

 俺は将軍ハカムの首を見せる。


「お土産だよ! こいつがパルシア帝国の将軍ハカムだ!」


 正面の横長テーブルに総大将ダラス将軍とカルソンヌ城城主のアルル辺境伯が座っている。

 俺は将軍ハカムの首をテーブルの上に置いた。


「任務完了! パルシア帝国軍は皆殺しにして来ましたよ」


「……ご苦労」


「……」


 ダラス将軍は顔を引きつらせて短く返事をしただけ、アルル辺境伯は無言だ。


「あれあれ~? なんか反応が薄いッスねえ~! 全殺しの、ぶっ殺しの、串刺し刑にして来たんですけど? 嬉しくないの? ねえ?」


「……感謝申し上げる」


 アルル辺境伯が絞り出すように声を震わせて答えた。

 もうちょっと感謝の言葉や何かないのかね……。

 ジャバ先生がスッと俺の横に来た。


「アルト・セーバー君。ご苦労様でした。何かいつもと様子が違いますね。アメリアから魔力酔いをしていると聞いていますが?」


「ああ、魔力酔いね! 確かに! 魔法をドカスカぶっ放して、気持ち良かったですよ!」


「ふむふむ。今回は怪我も無く何よりでした。ダラス将軍、アルル辺境伯、アルト・セーバー君は、魔力酔いをしておりますので、退出させていただきます。後の処理はお任せしても?」


「わかった……。魔法使い殿には、ご苦労であった……」


 あれ?

 これで終わり?


「さあ。アルト・セーバー君。ここを出ましょう」


「ああ、はいはい。あっ! そうだ! パルシア陣地に敵の女魔法使いを魔力障壁で閉じ込めてあるよ! マックスウェル先輩が捕虜にしてくれって言うので、生け捕りにしたんだ!」


「ふむふむ。それはこちらで処理をしておきますからね。安心をして下さい」


 右腕をジャバ先生、左腕をアメリアにつかまれてテントの外へ連れ出された。

 テントの中に詰めていた連中は、俺が歩き出すと一斉に道を空けた。


「それではアルト・セーバー君……状態異常回復! キュア!」


 ジャバ先生が俺に魔法を放った。

 その瞬間、俺は意識を失った。


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