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異世界もコネ次第!~王立貴族学園魔法学科へようこそ  作者: 武蔵野純平
第一章 ようこそ! 王立貴族学園魔法学科へ!
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第四話

 ――二時間後。


「じゃあサンディ! お先に!」


「おう、アルト! また後でな!」


 やっと俺の順番が回って来た。

 教室の左の扉から次の部屋に入ると、そこは十畳くらいの部屋だった。


 真ん中にテーブルが置いてあり、テーブルの上には野球ボール位の水晶玉が置いてある。

 テーブルの側に座るいかにも魔法使いと言う感じの黒いローブを来た女性が指示を出して来た。


「では、この水晶玉に手を当てて『光れ!』と唱えて下さい」


「はい。わかりました」


 この人はなんかちょっと怖い感じだ。

 取引先にいたおっかない女性上司って感じで、テキパキしていて仕事は出来そうだけど、怒らせると怖いタイプだな。

 さっさと済ませよう。


 俺は指示された通りに水晶玉に手を当てた。


「光れ! あっ!」


 俺が『光れ!』と言った途端に水晶玉にヒビが入って半分に割れてしまった。

 やばい。どうしよう……。


「す、すいません!」


「たぶん故障でしょう。あなたが気にする必要はありません。予備があるので……じゃあ、この水晶玉でやってみて」


 おっかない人は新しい水晶玉をテーブルの上にのせた。

 俺は同じ様に水晶玉に手に手を当て『光れ!』と唱える。


「ああっ!」


 また水晶玉が割れてしまった。

 おっかない人がおっかない顔で、じーっと割れた水晶玉を見つめている。


 まずいな……。

 弁償とか言われたらどうしよう……。


 ぶっちゃけた話し俺は金がない。

 父上が払ってくれたのは、王立貴族学園の学費と寮費だ。俺の小遣いは何かアルバイトをして稼がなきゃならない。

 こんな高そうな水晶玉は弁償できないぞ。


「あ……あの……僕……お金なくて……」


「えっ? ああ。気にしないで大丈夫です。これは試験中の事故ですからね。あなたに責任はありません。さてと……じゃあ、次はこの水晶玉を試してみて」


 おっかない人はバレーボールサイズの大きな水晶玉を持ち出して来た。

 同じ様にテーブルの上に置く。


 今度は大丈夫だよ……ね……?


 バレーボールサイズの水晶玉に手を当てる。


「光れ! ああっ!」


 大きな水晶玉は、真っ二つに割れてしまった。


「……」


「……」


 俺とおっかない人は、無言で割れた水晶玉を見つめた。

 やばいな、どうしよう……と俺が心配をしていると、おっかない人がテキパキと話し始めた。


「ふうう。良いでしょう。そこの扉を出て右へ。一番奥の部屋で待っていて下さい」


「はい。わかりました……」


 なんだろう? ヤバいのかな?

 こういう時にサンディがいてくれたらな。

 あいつに色々相談できるのに!


 扉を出ようとするとおっかない人に名前を聞かれた。


「あなた名前は?」


「アルト。アルト・セーバーです」


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