飛鳥ストーリー「マザーの情報を追え!」4
そして――現在。
私は『マザーパレス』の外の壁に張り付いています。
翼が見えてしまうので、頭隠して尻隠さずの状態にならないために、『シャイニングモード』は解きました。
『マザーパレス』の中からは(Fランクレベルの)悪魔たちの声は聞こえますが、テロスの声は聞こえません。
私が恐る恐る(『マザーパレス』の中に)入るとそこには誰もいません。
(誰も…いない?)
さっきまでは声がしていたのに、今はピッタリと止んでいます。
私は周囲を確認しますが、蟻の子一匹いません。
(まるで最初から誰もいなかったような、か)
この状況はアリーと戦った時と似ています。
それほど昔じゃないですが、きっと、同じでどこかに隠れていて――。
『『光の姫』、こっちに来なさい』
私はその声により思考が途切れ、何も考えず前へと歩いていました。
*
私が我に返ると、そこは水晶で出来た部屋でした。
(水晶の部屋の)真ん中には棺があり、そこでは妙齢の女性――マザーが眠っていました。
「もしかして、あなたが私を…?」
マザーは精神操作を使えるという。まさかそれが原因で!?
「マザー様は今眠ってらっしゃるの。邪魔しないでくれる?」
そこにレイピアを持った女性――テロスが来ます。
「どうして私が来ることが分かったんですか?」
「あなたのギルドをずっと監視してたの。そしたらあなたが飛んでいったから、もしかしてと思ってね」
私たちの行動は筒抜けということですか!
「あなたたちも出てきなさい!」
「「「へい!」」」
すると後ろの壁からたくさんの悪魔たちが出てきます。この技は忍法「隠れ身の術」。
「あなたは私が倒してあげる。ここで朽ちなさい!」
「お断りします!モードチェンジ――『シャイニングモード』!」
私の『シャイニングソード』とレイピアが何度も交差する。
三度交わるが、すべて跳ね返される。
私だって強くなったのに!
「これで終わりよ!」
「そういうわけには――いかないんです!」
私は(逃走用に持っていた)煙玉を投げ、逃走した。
「逃げられたわね」
「なんだよ」「マジか」「俺たちの出番なし?」
*
私はギルドに戻ると――ボスさんに報告しました。
私がマザーに(精神を)操られたこと。マザーがもうすぐ目覚めること。
テロスと交戦したこと。そして、テロスに勝てなかったこと。
ボスさんは「『マザーパレス』から戻れただけでも良かった。情報は大切に使うよ」と言ってくれましたが、私は悔しい思いでいっぱいです。
* * *
終わり




