第七十九章・飛鳥の過去と養子縁組
涙の話は続く。
「俺とお前と桜田一は同じ中学校だったんだ。飛鳥はその時、中学にはいなかった」
「どこにいたんだ?」
「飛鳥は天才児として、フレランスの塔って場所で英才教育を受けていたらしい。お兄さんがいたらしいが、強制的に離されたらしい」
「残酷な話だな、それ」
「あっちの世界ではよくある話さ。飛鳥の両親も亡くなったらしいし…」
「けど、飛鳥には両親がいるじゃないか。あれはどう説明するんだ?」
「向こうの世界の(飛鳥の)両親は、ボスが養子縁組で見つけた両親なんだ」
「ああ、あのモードチェンジの『大人モード』」
「『大人モード』自体は一日しかもたないけどな。次する時は三日後になる」
『大人モード』は一日しかもたない。覚えていて意味があるだろうか?
「ここで問題だ。養子縁組は特別養子縁組と普通養子縁組がある。(向こうの世界の)飛鳥の両親はどっちを使っただろうか?」
いきなり問題か。てか、本題はどこへいったんだよ!
「そもそもどっちも分からないから答えられない」
俺は正直に言った。
「ではヒントだ。特別養子縁組は六歳未満。普通養子縁組は制限がない。ちなみに養育者の条件はお二人とも満たしてるぞ」
「なんで(向こうの世界の)飛鳥の両親の年齢知ってるんだよ…」
「それは置いといて――」
置いとくなよ!
「じゃあどっちだろうな?」
「普通養子縁組のほうだ。飛鳥がいつからフレランスの塔にいるかは分からないが、中学生一年生の時の話が出たから実質的な年齢は十二歳以上。十二歳以上の理由は遅生まれの可能性があるからだ。飛鳥の誕生日は知らんがな」
飛鳥は転校生なので、一番最初のLHRは受けていない。
そこで初めてクラスメイトの名前・年齢・性別・趣味・特技・誕生日が明かされる。
本当なら転校生への質問で聞くのだが、中居先生がヒートアップしたので、時間がなくなってしまった。
クラスメイトにプロフ(プロフィールを書く紙)は渡られたらしいが、俺を追いかけるのに夢中で貰うのを忘れてしまったらしい。
そのまま受け取る機会を得られず、そのままの空気で霧散したらしい。
「正解。さすが悠だな。詳しいことはネットで出るから、養子縁組で調べてくれ」
ネットに投げすぎだ!
俺は心の中でツッこんだ!




