悠ストーリー「ボス先生の必殺技講座」2
俺たちは闘技場へと移動した。
俺がここに来るのも何度目か分からないほど、ここを使う回数は多い。
昔の俺とボスが働いたお金で建てられたらしいが、今の俺に見る影も無い。
俺たちはここで必殺技の練習をすることにした。
*
「ここで練習するんですか?ボス」
「うん。逆にここしかない気がするけど…」
「あんた、あれだけペンション近くでやってただろ」
「あの時は合宿中だったからね。特別だよ」
こんなことを飄々と言うとは…。さすがボスだ。
俺が「さすが」と思う人間もそうそういない。
あれ?
「ボスって人間ですよね」
「前も言ったと思うけど、僕は『異界の宇宙人』。人間じゃないんだ。それにこの世界の住人でもない」
「それってどの世界ですか?」
「覚えてないんだ」
え?それって…。
「じゃあ何で知ってるんです?自分が別の世界の住人だって…」
ボスは俺の顔を見ながらこう言った。
「ある人が言ってたんだ。僕はこの世界の住人じゃないって。宇宙船に乗ってここに来たんだって」
まるでSFの話だ。
「だから、それ以上は覚えていないし、知らないんだ」
ボスは殊更明るく言うが、その笑顔は悲しそうだった。
* * *
3へ続く




