アリーストーリー「アリーとマリエス」
私は魔女の館で紅茶を飲みながら、『光の姫』を待っていた。
『光の姫』は二つ名で、本当は柊飛鳥という名前があるらしいが、私には関係ない。
東の森には使い魔を設置しているので、『光の姫』が近づいたら分かる仕組みになっている。
さっきまではロックプリズンの中で声が聞こえたが、今は聞こえない。
たぶん寝ているのだろう。
私は『光の姫』を待つ間、時間があるので、あることを思い出していた。
私のライバル――マリエスのことだ。
*
「アリー、ここ教えて!」
私が岩の魔法について、学校で考え事をしていると――私の親友であり、ライバルでもある――マリエスが私に話しかけてくる。私が(マリエスが指している)本の部分を見ると、
「精神魔法?なんであなたがこれを?」
私がそう聞くと、マリエスが胸をはって言う。
「そりぁ簡単だよ。精神魔法が一番お金を稼げるから!」
私は唖然としていた。
この子の考え方は――変わり者と言われる――私たち魔女でも分からない。
「なんで稼げるの?」
と私が聞くと、
「だって(みんなが)私にお金を渡すようにすれば、いっぱい稼げるし!」
と答える。
マリエス、それは犯罪です。
私はそう思ったが、それは言わずに、
「マリエス。精神魔法は人を幸せにするために使うものよ。そうやって使うものじゃないわ」
「それって麻薬じゃ――」
「違います。魔法には副作用がないから、麻薬とは確実に違います!」
マリエスはそれで理解したのか、頷き、
「時間的療法ってやつだね♪」
と言う。
私は(マリエスの)間違ってるようで間違っていないその発言に、何も言えなかった。
*
私たちはその後、学校を卒業した。
私は岩の魔法を極め、マリエスは精神魔法を極めた。
(私たちは)お互いが最強の魔女になるために、また会うことを誓って、別れた。
マリエスが今、何をしているのか私には分からない。
*
そんな昔のことを思い出していると、使い魔の一匹が反応した。
すぐに消えるが、場所が分かれば問題ない。
私は『孤独の破壊者』をおとりに『光の姫』を(ロックプリズンで)閉じ込めるため、席を立つ。
「マリエス、また会おうね」
そう言った私の願いは叶わなかった。
*
「アリー、何してるかな」
私はコロシアムの控え室でアリーのことを思い出していた。
今は(彼女に勝つための)最強の杖を買うためにこのコロシアムに出るつもりだが、いつかは彼女と戦うつもりでいる。
「また会えるよね♪」
私は知らなかった。すでに彼女がこの世にいないことに…。
* * *
終わり




