第六十六章・ランク
これは俺が合宿中に聞いた話だが、(俺を含めて)ギルドメンバーにはランクというのがあるらしい。
飛鳥はAランク、涙は(あれだけ強いのに)Bランク、ボスはSSランク。
ちなみにランクはF~SSまであるらしい。だけど最高はSだ。
SSランクは百歳以上じゃないと出来ないらしいので、メンバーでは、ボスやアヴィス以外には不可能である。
ちなみにSSランクなのは十人だけらしい。マザーもそこに入るらしいが…。(さらに言えば、サヴァスはDランク、アリーはCランクらしい)
*
「それで俺のランクはどのランクなんだ?」
俺がわくわくしながら聞くと、
「今のあなたのランクではなく、昔のあなたのランクですけどね」
と飛鳥に訂正される。
俺は気をそがれながらも、話を聞くことにする。
「それで昔のあなたのランクなんですが、Sランクマスターです」
「Sランクマスター?」
Sランクと何が違うのだろうか?
俺がそう思っていると飛鳥が、
「ランクマスターとはそれぞれのランクの中で一番強い人――つまり一位になった人を指します」
「一位?それはどうやって決めるんだ?」
「この世界にいる判定員が決めます。悠さんの属性を調べるために使った腕輪――あれで魔力の強さも計れるんですよ」
なるほどな、それで魔力の強さが分かるのか。あの腕輪はギルドに置いたままだが、帰ったら計ってみよう。
『その話だが、我も加わらせてもらおう』
いきなり俺のペンダント――神器「バルト」の中にいるアヴィスが話に加わってくる。
「何だよ、いきなり」
俺としては不満しかない。
『すまんな少年。だが、我にとっても興味深い話なのでな』
俺を無視して話は進んでいく。
*
「アヴィスさんはSSランクマスターなんですよね!」
『ああ。と言っても転生する前の話だがな』
「それでもすごいですね。私なんてAランクが限界で…。もう少しでAランクマスターになれそうなんですけどね」
『昔ほどの力はないとはいえ、少年を倒したんだ。きっとAランクマスターにもなれるさ。精進するといい』
「はい。これからも頑張ります!」
傍目から見ると飛鳥と――ペンダントは机に置いている――神器「バルト」が喋っているという不思議な光景である。
(…なんだこれ)
俺はそう思いながらも飛鳥とアヴィスの話を聞いていた。
聞いている限りだと師匠と弟子の会話にしか聞こえない。
それを聞きながらも、俺はボスに聞いた。
「アヴィスはSSランクマスターなので一位なんでしょうが、ボスは何位なんですか?」
俺がそれを聞くとボスは悲しそうな顔をして、
「…僕は三位だよ」
とそう答えた。
俺はボスのその反応を不審に思いながらも、
「…ボスよりも強いのが二人もいるんですか?」
と聞いてしまう。
アヴィスは三千もの悪魔を一匹で葬った悪魔なので分かるが、ボスの強さを知っている俺としては、アヴィス以下ボス以上の強さの人間(?)がいるとは思えない。
「…ごめんね。それについてはまだ言えないんだ」
それ以上は聞ける雰囲気ではなかったので、俺はこの話を止めた。




