第六十五章・合宿の最後は…
もうすぐ俺たちの合宿は終わる。
俺がやったことと言えば、海を見て、ボスのキツイ特訓を受けて、別の意味での肝試しをしたぐらいである。
(後は「緋弾のア○ア」のⅠ・Ⅱを読んだくらいか)
これで何の成長をしたのか謎である。
*
俺たちはそれぞれの荷物を持つと、横一列に並ぶ。
中学の修学旅行の時も感じたが、最終的に何を学んだのかはいつも分からない。
だが、これも青春の1ページには、なるのだろう。
「じゃあ記念撮影しようか」
ボスがどこから取り出したのか分からない、デジカメを持っている。
「俺、写真とか苦手なんだけど…」
「そんなこと言っちゃダメですよ悠さん。私が隣にいてあげますから」
飛鳥が俺の左隣に来る。
「な、なら俺も」
涙が俺の右隣に来る。手をつなごうとしてきたので、振り払う。
「ドルとフウはまだ小さくて(私たちの後ろにいると)見えなくなっちゃうから悠お兄ちゃんの前に。
私たちは階段を上って、右が私、真ん中がフレア、左がスイリュウの順番に並ぼう」
「「はぁ~い」」
「了解」
「……」
リンの的確な指示により、フレアとスイリュウ、契たまの二人が並んでいく。
「じゃあ撮るよ」
ボスがデジカメを(タイマー設定にし)机に置くと、
「ボスさんも速く!」
飛鳥がそう大声で呼ぶ。
ボスはそれに反応すると、テクテクと早足で歩き出す。
ボスは少し止まると、「僕はここかな」とドルの左隣に座る。
俺から見ると、(左から)ボス・ドル・フウの順番だ。
「はいみんなポーズ!」
ボスがそう言うので、俺たちはそれぞれでVのポーズを作る。
そこでカシャと音が鳴る。
ボスが見ると、よく出来ているらしい。
俺も見てみると”うん、よく出来てる”とそう思う。
これは俺の思い出の写真になるだろうし、これだけは(破かない限り)残り続けるだろう。
*
契約者たちと契たまの二人が帰り、ボスもギルドが気になるらしく、先に帰る。
ボスも帰ったので、久しぶりに俺たちは三人になる。
「楽しかったですね、合宿」
「俺としては夏はこれからが本番だけどな」
涙は来週から陸上部の合宿があるらしい。
「俺としては午前中だけだから大丈夫だけど…」
ワープロ部は夏休み中は午前中だけで、休日は別にない。
「そういえば、飛鳥はどこの部活に入ったんだ?」
俺が興味本位で飛鳥に聞いてみる。
だが、それは驚きの答えだった。
「私はどの部活にも入ってません」
「ん?なんでだ?」
「マザー・イントワネイトのことがあるからです」
マザー?どこかで聞いた名だな…。
ああ、そうか。そう言えば、俺ってマザーに記憶を消されたんだっけ。
俺のそんな考えなど知らず、
「マザーを倒すまで、私は部活に入ることはしません」
飛鳥はそう締めくくった。




