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孤独の破壊者  作者: 天魔時男
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第六章・闘技場に入る前に…

 (でかいな)


 俺の闘技場を見た感想は、単純にそれである。というか、高校一年生としてはわりと普通の感想である。


 「っていうか、これって誰のお金で建ってるんだ?」


 気になったので、隣の飛鳥に聞いてみる。


 「率直ですね。まぁいいですけど」


 一瞬だけ苦笑いした飛鳥だったが、素直に話し始める。


 「大方のお金は、ボスさんと中学生の時の悠さんが稼いだものらしいです」


 飛鳥のその発言に、俺は隣の飛鳥の顔を見てしまう。


 「中学生の俺?けどあの時期は学校に行って、部活に行く。それだけだったと思うけど…」


 その言葉に飛鳥は悲しそうな顔をする。


 「その時のことを覚えていないのは、仕方がありません。あなたはマザーとの戦いで記憶を失ったんですから」


 ふと、悠は疑問に思う。さっきの話にもあったが、マザーとは誰だろうか?


 「マザー?」

 その反応に飛鳥は驚く。

 「もしかしてマザーのことが分からないとか?」

 「だから誰なんだよ、それは!」


 悠はそう言わずにはいられない。マザーは「母親」の意味なのだろうが、それ以外には分からない。そもそも勝手に連れてきといて、そんな話をされても困る。


 飛鳥は少しだけ悩んで、こう言ってくる。


 「まず一つ質問ですが、マザーのスペルは分かりますか?」


 飛鳥の質問に悠はムッとする。


 「それぐらい分かるよ。エム、オー、ティー、エイチ、イー、アールだろ」

 「はい、正解です」

 「さっきも言ったけど、俺のことバカにしてんの?」

 「はい、バカにしてます。知力は普通以下だと」

 「ひいらぎを答えたのは、俺だろうが!」

 「はい、そうですね」


 飛鳥は投げやりな口調で返してくる。

 敬語だが、どこか飛鳥は俺のことをバカにしてる気がする。


 「そんなとこでボッーとしてないで、早く入りましょう」


 飛鳥はそんな俺の考えなど関係なしに中へ入っていく。

 俺はそれを追いかけるしかない。

 

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