第五十六章・合宿
いきなりだが、俺は海にいる。なぜかというと(半ば)強制的に連れてこられた。
本当なら保護者の許可も得ずに連れてきていいのか、と言いたかったが、ボスが――モードチェンジの『大人モード』で――俺たちの親の許可を得たらしい。
ボスの『大人モード』は(一度見たことがあるが)二十代半ばにしか見えないので大丈夫なのだろう。
俺はラノベさえ読めればどこでもいいのだが…。
*
「特訓だね」
「特訓です」
「特訓だな」
「特訓だ!」
「特訓ですよね」
「……」
「「海だ!」」
八者七様の反応に(俺の)時が止まる。
前者の三人はボス・飛鳥・涙だが、後者の五人はバイトの休暇で来たフレア・リン・スイリュウの三人と、契約者の卵――契たま(どっかで聞いたことがある)であるドルとフウである。
ドルとフウは――五歳コンビであり――土と風の契約者にいずれなるらしい。まだ契約獣がいないため、契たまと呼ばれている。
契約者たちと一緒に住んでいるらしい。
二人に至っては単なる旅行という名目で来たようだ。
ジャージからパーカーと海パンに替えた俺以外は、全員が水着で海かもしくは近くにいる。
俺はと言えば、塩水を経験したことがあるので、あまり海には入りたくない。
水着の種類とか知らないし、言葉で表すのも面倒なので、ラノベの挿絵とかあればいいのにと俺はそう思う。




