第五十三章・俺の過去2
俺たちがギルドに戻ったのは、夜になってからだ。
俺は涙に(あっちの世界で)連絡してもらい、今日は泊まることにした。
涙と別れて、ギルドに入ると、ボスが待っていて――。
*
「何のようですか、ボス」
ボスが大広間から出るのは珍しい。いつもはあの場所で毎日コーヒーを飲んでいる。
「コーヒーの飲みすぎは体に悪いですよ」
俺がそう忠告すると、
「一日一杯だから大丈夫さ」
と軽く返される。
あくまで飲むのは止めないらしい。好みは人それぞれなので、これ以上は言わないようにしておく。
「それよりもさ――」
ボスは一泊空けて、
「――僕は君と戦いたいんだ」
そう言った。
*
再び闘技場。
飛鳥・涙・フレアはすでに帰ったため、俺とボスしかいない。
ギルドメンバーにはそれぞれの部屋があるが、二人とも高校生なので帰らなくてはならない。(ちなみに涙の部屋はトレーニング道具が多い)
俺と二人になったボスは何かを話し始める。
*
「君は僕のことを思い出したかな?」
「!?」
それはたぶん小学生のときのことを指しているのだろう。
「漠然とですが思い出しました。あなたはあの神社で俺と歌ってましたよね」
てをつなごう~いっしょにわらおう~
そう歌いながら笑ってくれた男の子。それがボスだ。
「ともだちになろう~」
ボスは俺の心を読んだわけではないだろうが、そう歌い出す。
「あなたは俺の何を知ってるんです?」
「全てさ。僕が君を『孤独の破壊者』にしたからね」
その話には興味があったが、
「その話はまた今度。早くしないと夜が明けてしまうからね」
ボスは振り返り、「じゃあ始めよう」と言った。




