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第五十章・涙と戦うなら…
空き教室。
俺は(昼練に行ったはずの)涙を問い詰めていた。
*
「で、お前は何を思って止めに入ったわけ?(怒)」
俺にとってはそこが分からない。今の俺の顔は怒りを抑えている顔だ。
「い、いや。それはその…」
涙がしどろもどろになるなど、珍しい。
俺はため息をして、「前からききたかったんだけどさ、お前ってゲイなの」と直球で聞いてみる。
「それは断じて違う!お前以外に興味ないし!」
涙は即答だった。
俺は少しだけ動揺して、
「じゃ、じゃあもういいよ。それで話が脱線したけど、フレアは何の話をしようとしてたんだ?」
フレアは涙を一瞬見てから、「話ってのはお金の話でな」と切り出す。
「金なら貸せないぞ」
「同じく」
俺と涙は即答する。
「そっちじゃなくて…」
フレアは一瞬考え、「ならギルドで頼む!」と言ってくる。
何を頼むんだ。主語を言え、主語を!
俺はそう言いたいが、こうまで頼むのには理由があるのだろう。
「分かった」
俺も鬼じゃない。
俺はそういうと、
「なら涙と戦って勝ったらな!」
「そこは俺がじゃないのかよ…」と涙が言うが、
俺は同じやつともう一度戦うのは、あまり好きじゃない。




