第四十四章・悠VSフレア
憑依――もとい憑依「炎帝」になったフレアと、俺は戦っている。
「水よ、俺の周りに集まれ!」
俺は水を周りに集めて、フレアに物理攻撃をさせないようにしていた。
「お前、卑怯だろ!」
フレアが正論を言っているが、戦いに卑怯もへったくれもない。
「スプラッシュ!」
上から水を降らせたりもしてみる。まさにやりたい放題だ。
(これ、ストレス発散になるな!)
戦いの最中にそんなことを考えたりもする。もはや剣や盾を捨てたりしているので、武器で戦う気が無い。全部魔法で遠距離攻撃だ!「ドラゴンソード」はあるけどな!
「冷めてぇ…」
フレアはまさに水を滴るいい男状態である。
ブチッ
何かの切れた音がする。その音はフレアから聞こえた気がするが…。
「もう切れた。全力でいくぞ!」
今まで全力じゃなかったんかい!とそうツッコミたいが、そうはいかない。
「インフェルノ!」
フレアが放った熱が、あっさり俺の周りの水を蒸発させる。
(やべぇ…)
俺はそう思うが、後の祭り。
剣を慌てて抜くが、それも軽く弾き飛ばされる。
(マジでやばい!)
本当に大・大・大ピンチである。
「トドメだ!」
その時、ふと思いついた。土と風の混合技を。
「ガイアトルネード」
土と風の両方を真下から受けたフレアは、向こう側までぶっ飛んでいく。
「村木悠――お前マジで汚ねぇな!!」
そんなフレアを無視して、俺はVサインを作る。ピース! ピース!




