第三十三章・東の森
俺たちは東の森に来ていた。
町から数キロ離れているだけなので、割と近い。
森に近づくと同時に、俺たちは小人族であるコボルトに襲いかかられた。
*
「飛鳥、数が多いんですけど!」
俺はモードチェンジでなった『アイスモード』の氷で、コボルトを凍らせてから動きを止め、「ドラゴンソード」で一気に斬り倒す。
「集中してください、悠さん。じゃないとやられちゃいますよ」
飛鳥は『フォームチェンジ』で剣から弓に変えて、
「シャイニングアロー!」
「シャイニングアロー」で、コボルトを一気に倒していく。
その姿はまるで、狩猟の女神「アルテミス」のようだった。
(『光の姫』か…)
俺はあまりの実力差に歯噛みした。
*
数分後、無事コボルトは殲滅され、クエストはクリアしたわけだが、
「あらら♪コボルトじゃ相手になりませんでしたか♪」
突然の軽い言葉に俺たち二人が振り返ると、森の奥からとんがり帽子をかぶった十四歳くらいの少女がでてきた。
(魔女…?)
その姿はおとぎ話に出てくる魔女のようだ。
「今、あなた私のことを魔女だと思ったでしょう」
(こいつ、エスパーか!)
俺のその反応に少女は呆れた顔をして、
「何をそんなに驚いているのか知りませんが、顔を見れば分かりますよ」
そう言って、どこから取り出したのか分からない杖を振る。
「ロックプリズン」
俺はあっという間に岩の壁に閉じ込められた。
「なっ」
俺は咄嗟に岩を蹴ってみるが、ビクともしない。てか、痛い。
なすすべがないとは、正にこの状況のことである。
「ではさようなら~」
そう言ってほうきで帰ろうとした少女を、
「何がさよならですか!」
弓で狙いをつけた私が止めます。
そんな私を見て、少女はほうきに乗りながら、
「あなたが『光の姫』ですね」
私を見てニコッとしながら、
「私はアリー、見てのとおり魔女です。夢は素敵な魔法使い♪」
ピュ~と風が通り過ぎていく。
「コホン」
アリーは恥ずかしかったのか、少し咳払いして、
「それは冗談ですが、これから話すのは冗談ではありません。
『光の姫』さん、あなたはこれから東の森の奥にある魔女の館まで来てください」
私は少し考え、
「何が目的ですか」
とだけ聞きます。
「目的?」
アリーは一瞬だけ分からなさような顔をしてましたが、
「特にありません」
と答えます。
目的がないにもかかわらず、「来てください」とはどういうことなのでしょうか?
ますます意味が分かりません。
私のそんな心情を無視して、「ではごきげんよう」とだけ言って、アリーは去っていきました。




