第三十一章・隣町リブ
俺は飛鳥に弱みを握られたまま、ギルド『トライアングル』の隣にある町――リブに来ていた。
俺の監視役として飛鳥がついてきているので、怖くて仕方ない。
(俺が逃げたら町中に秘密をバラすつもりだな、こいつ)
町の人たちは言われても何も分からないだろうが、それを言われている俺は精神的痛手になる。それを分かっててついてきている。
(策士め…!)
俺は首輪をつけられているみたいで、嫌になる。
(いつか絶対に仕返ししてやる!)
俺はそう心に誓うのだった。
*
俺たちはリブの町長に挨拶をすることにした。
コボルトが出た!といわれてもどこに出たのかも分からない。
俺たちは挨拶と情報を得るために、町長宅を目指す。
*
町民に案内をしてもらい、(迷うことなく)無事に目的地にたどりつく。
(よかったぁ、迷わなくて)
俺は方向オンチなので、そこが心配だったのだ。
「ふう、無事につけたな」
俺が仕事をやりきった感じになっていると、「まだ会ってもいないのに何言ってるんですか…」と飛鳥に釘をさされる。
俺はドアをコンコンとノックしてから中に入る。
鍵はかかっていないらしい。
”ぶようじんだなぁ、もしかしてぶようじんぼうにとりつかれてるのかなぁ”と思いながら中に入ると、目的の人物はベッドの上で眠っていた。
「昼間から寝てるなんて…」
「それをあなたがいいますか」
飛鳥が何か呟いた気がしたが、小さくてよく聞こえなかった。
「おじさん、おじさん!」
俺は強く揺らすが、まったく起きない。というかお酒の臭いするし、酒瓶近くに転がってるし、まさか泥酔してるのか?
飛鳥は酒の臭いが嫌なのか、窓際まで退避している。
(揺すっても起きない…。もう仕方ないか…)
俺はある決心をする。それは、
「お酒はまだまだありますよ~♪飲まないんですか~?」
俺は精一杯甘い声を出す。
「飲む!飲みます!」
町長であろうその人は普通に食いついた。
後ろでは、飛鳥がため息をついていた。




