第二十八章・悠VSサヴァス
「俺が戦う」
二人にそういうと、渋い顔をされた。
「大丈夫かよ」
「心配です」
(俺の信用度って、そんなに低いのかな…)
ちょっとショックである。
俺が軽く落ちこんでいると、飛鳥が、
「いえ、ベヒモスはともかく、私に簡単にやられてしまう悠さんじゃ、軽くやられてしまうのではないかと」
フォローになっていないことをいう。
俺は仕返しに、
「なんだよ。お前だって学校歩いてるとき、ブルブル震えてたくせに!」
それに飛鳥はピクッと反応し、
「それをいうからには、命はいらないようですね!」
握りこぶしをつくる。
「なら、やるか!」
俺も握りこぶしをつくる。
今、俺と飛鳥の一触即発の戦いが始まる!!
と、そんなはずもなく、
「夫婦漫才してないで、早く決めろよ」
二人の会話を、退屈しながら聞いていたサヴァスが入ってくる。
「「誰が夫婦だ!」」
俺たちは同時にハモった。
*
その後、俺は問答無用で二人を説き伏せ、俺は戦う権利を手に入れた。
俺はサヴァスと向かい合い、初めての『モードチェンジ』をする。
『モードチェンジ』は属性の数だけあるのだが、俺が選んだのは闇属性の『ダークモード』だ。
着ていたジャージは、黒の黒衣へと変わる。まるで黒の剣士だとツッコまれそうな姿である。
相手――サヴァスが持っているのは槍。
俺は――「ショートソード」が壊れたので――ボスから新しくもらった「ドラゴンソード」。
「俺から行くぜ!」
俺が『モードチェンジ』を終えると、それが始まりの合図のように、サヴァスが先に動いた。
「ダーク!」
俺はゲームの知識を使い、右手で闇色の球を飛ばしてみるが、全く当たらない。
「どうした!?トロくて、全く当たらないぜ!」
サヴァスは悠の近くまでその翼で飛ぶと、悠を刺す。
「おら!」
悠は右腕を刺され、肩ひざをつく。
(サヴァスは旋回して、次は左腕を狙ってくる。動きを止めないと!)
もし左腕まで刺されたら、剣を落として、やられてしまうだろう。
(もうやられるわけにはいかない!!)
「おいおい、『孤独の破壊者』ってのはこんなに弱いのかよ。拍子抜けするぜ」
(サヴァスは自分が優勢だから、口が軽くなってる。決めるなら今しかない!)
「これで終わりだ!」
サヴァスは旋回し、左腕を狙うが、
「終わるのはお前だよ、おしゃべりさん」
「!」
「ダーク!」
悠は左手から闇色の球を飛ばす。
「それはさっき効かねぇって言っただろうが!」
サヴァスはゆうゆうとよけていき、俺の間近まできて、俺の左腕を狙う。
「それはどうかな」
だが、そこには、さっきの闇色の球ではなく、白色の球があった。
(嘘だろ!?)
「ホーリーバースト!」
悠は白色の球を爆発させる。
(俺が、こんなザコに!!)
「相手は先入観から一度技を見ると、それ以外はないと錯覚する――それがお前の負けた理由だ!」
(マジかよ。こんなに強かったのか)
サヴァスは光となって、消えていく。




