第二十六章・ゲート
学校のなかにはやはり飛鳥と涙がいた。
「遅いですよ、悠さん」
学校が休みにもかかわらず、制服姿で来ている二人は準備万端という感じである。
ワープまでして、急いできたのにこのいわれようか!
「遅れてすまない」
「わ、分かればいいんですよ」
Sでツンデレなのか、この女は。
涙はそんな俺たちを呆れながらも、
「早く行こうぜ」
と先頭を歩き出す。
レディーファーストならぬ、メンズファーストにより、涙・俺・飛鳥の順番で歩き出す。
涙が先頭を歩くのは、俺がベヒモスにやられたのを気にしているのだろう。
(気にしなくていいのに)
涙の優しさは嬉しいが、複雑である。
それにしても気になるのが、
「……」
俺の服を掴んだままはなさない飛鳥である。
「なにやってんの、お前」
いつもはうるさい飛鳥が静かなのは、不気味である。
しかもちょっと震えてるし。
「もしかして――」
「その先は言わないでください」
飛鳥にそう言われたので、言わないでおくが、飛鳥は夜の学校が怖いのだろう。だから、「私より前にいってくれませんか」などとらしくないことをいっていたのか。
正直掴まれたままだと歩きにくいのだが、そう言ったところで離さないだろうし、このままにしておく。
*
歩いて探索すること数分後。
涙が空間の穴があいているところを見つける。
「これは…」
『ゲートだな』
「ゲート?」
『この空間にあいている穴の呼び名だ。この先には違う場所が広がっていて、その先には大抵時を止めた犯人がいる』
(てことはこの先を進めば…)
「事件かいけ――」
「事件解決ですね!」
俺のセリフを飛鳥に取られた。
*
ゲート内部。
俺たちの順番は変わり、涙・飛鳥・俺の順番になっている。
体力で二人に負ける俺は、ゆっくりと自分のペースで歩いている。
「悠、大丈夫かよ」
涙が俺の心配をして、俺のペースに合わせて歩いてくれるが、「心配ご無用」と言い、俺は歩き続ける。
「無理だけはするなよ」
そう言って、涙は前を歩いていく。
俺の親友は心配しすぎるのが、良くない。




