第十九章・『始まりの試練』
俺たちは、ダンジョンの奥深くを目指す。
相変わらず戦っているのは俺だけだが、――あの一声はなんだったんだ――それも慣れたもので、俺たちは最奥である地下3Fを目指す。
(もうすぐかな)
俺は階段を降りると、そこには重厚な扉があった。
俺が扉を開けるとそこには、――赤い宝石が組み込まれた――ペンダントをつけた巨大な竜がいた。
(なんだ、こいつは)
俺がそう思うくらいには、でかい。
俺がそのでかさに驚いていると、「コイツが巨竜・ベヒモスだ」と言って、愛剣「レクイエム」を抜く。
「この竜が、『始まりの試練』の敵」
飛鳥もそう言いながら、「シャイニングソード」を抜く。
俺もショートソードを抜き、バックラーを捨てる。
こんな盾では止められない、と思っての判断だ。
ベヒモスが俺めがけて、突進してくる。
後ろにいる二人は隅に避けたが、俺は――足が震えて――避けきれず、ぶつかってしまった。
(ぐっ!)
咄嗟にショートソードで身を守ったが、受け流しきれずに、扉のところまで、飛ばされてしまう。
俺はそのまま意識を失った。
*
「悠さん!」
私は悠さんを呼びますが、悠さんの反応はありません。ベヒモスにやられてしまったのでしょうか?
(どうしましょう…)
このまま悠さんの安否を確認しに行きたい私ですが、後ろを向けば、ベヒモスに襲われてしまうでしょう。
だからと言って、このまま確認しに行かなければ、悠の命が危ない可能性もあります。
私がそれを悩んでいると、
「飛鳥、行け!ベヒモスは俺が倒す!」
と涙が言ってくれます。
私は――『ヒアリングモード』になって――悠さんの元へと急ぎます。
*
(よくも、俺の親友を!)
俺は自分への、ベヒモスへの怒りが抑えられない。
『始まりの試練』の敵がこんなに強くなってるとは思わなかった。たぶんだが、神器「バルト」の無限魔力によって、強くなってしまったのだろう。
”あの時、俺が止めていれば”と思わなくもない。
『始まりの試練』なら悠でも、とそう思っていた節があるのは否めない。
だからといって、これは違う。
(絶対に倒す!)
涙は明確な意志をもって、ベヒモスを定める。




