第十八章・属性
洞窟内部。
俺は(一人で)洞窟のモンスターたちと戦っていた。
「Lv.1村木悠。レベルアップ(笑)」
「うるさい!」
飛鳥と涙を見れば、二人で俺の戦いを見ながら、歩いている。
「お前らも戦えよ」
「いいじゃないですか、運動になって」
飛鳥の減らず口がとんでくる。
(こいつ!)
全くやる気が無いのが、見るだけで分かる。
「それに私たちがやると、あなたのためになりません」
「それはそうだが」
理解は出来るが、納得はいかない。
二人とも剣を持っているのだが、飛鳥が愛用しているのが、「光剣シャイニングソード」。「輝き」の力が使える剣である。
涙が愛用しているのが、『氷剣レクイエム』。「氷」の力が使えるらしい。
二人が使っている剣は、俺が昔使っていた俺の剣たちと同じで、オリジナルらしい。
(俺も使いたい…)
そんな思いがよぎるが、しのごのいってはいられない。
(前に、か)
もっともっと前へ前へ~君のいかした夢あきらめないで~
(いい曲だな、ホント)
そんなことを考えていたので、次の攻撃がはずれてしまった。
*
進んでいくと、広い場所に出る。
そこでいきなり、涙の講義が始まる。
「悠は、この世界での武器の種類は知ってるか?」
ここは素直に、「知らない」と答えておく。
すると涙は、満足げに頷いて、
「武器の種類は十を超える。俺が知っているのは五つだけだがな」
「五つ?」
「剣、双剣、弓、銃、ブーメランだな。どれを使うにも素質がいる」
涙が話している間に、俺はショートソードを鞘に戻す。
ショートソードは――日本円で直すほうが早いので、日本円で表記する――百円で買えるらしいので、小学生でも買えそうだが、武器の携帯は、この世界の法律で十五歳以上と決められているらしい。
「今の悠は剣と盾だが、昔の悠は双剣を使ってた。なんでも双剣のほうがやりやすいらしい。今の悠はどうなんだ?」
涙は俺にふってくるが、
「どうなんだろうな。分からない」
俺は肩をすくめて、そう答えるしかない。
「まぁ、ゆっくり決めればいいさ。武器も進路も――」
「進路?」
俺が聞くと、涙はしまったとばかりに口を噤む。
「いや、なんでもない」
涙の様子がおかしかったが、涙が何も言わないので、何も言えない。
「さて、次は魔法です」
その空気を察したのか、飛鳥が声をあげる。
「魔法?」
「はい、魔法です」
「あの魔法か」と分かった風に言ってみるが、本当は全然分からない。
そんな心中を察してか、
「ならどんな魔法が使えるんですか?」
と意地悪飛鳥が聞いてくる。
「さ、さぁね」と俺はごまかす。
そんな俺を見て涙は、「どうせ分かんないんだろ」と俺の腕に何か装置を巻きつけてくる。
「これは?」
「これはその人の属性を計る機械なんだ」
そんな機械があるなら早く出してくれよ、とツッコミそうになったが、それはセーブすることにした。
「これでお前の属性が分かる。赤なら火、青なら水って感じだな」
するとその機械――たぶん腕輪――から、虹色の光が溢れだした。
(虹色?)
俺が不思議がっていると、「すごいな悠、虹色なんて初めて見たぜ」と涙が驚いている。
「そんなにすごいことなのか?」
俺が聞くと、「すごいことですよ。全属性が使えるってことなんですから!」と珍しく飛鳥が騒いでいる。
(全属性…)
俺はその虹色の光をじっくり見るが、すごさが全く分からない。
「とりあえず、ダンジョンの奥を目指そう!」
涙の一声があがり、俺たちはダンジョン――洞窟の奥を目指す。




