第十七章・『モードチェンジ』と『フォームチェンジ』
ボスとはその後、数十分会話したはずだ。
軽い口調とは反対に、喋りやすい人である。俺がこんなに喋るのは久しぶりなくらい喋った。珍しく涙も聞き役だったし。
その会話のなかで出てきた言葉に、聞きなれない言葉があった。
それが、『モードチェンジ』と『フォームチェンジ』である。
『モードチェンジ』とは、自分の体の性質――つまり姿を変えること。
『フォームチェンジ』は、武器の本質――つまり形態を変えること。
その力はギルドメンバーである悠・涙・飛鳥・ボスの全員が持っていること。
ボスからその説明をされた俺は、もちろん「やってみたい」と言った。
だが、その両方の力を、俺は今は失っているらしい。
「君がその力を取り戻すには、失ったペンダントを取り戻すしかないよ」
ボスが言った言葉は、昨日飛鳥が言っていたのと、似ている。
「よし、今から行こう!」
俺は飛鳥が昨日言ったことを、そのまま口にする。似たもの同士とは、まさにこういうことを言うんだろうか?
意気揚々と外に出ようとした俺を、涙が止める。
「それは休日にな。明日も学校があるし」
(まぁ、そうなんだけどさ…)
俺は自分のモチベーションが、低下するのを感じる。
*
土曜日。
俺たちはギルドにほど近い洞窟へと足を運んでいた。
俺は昨日、ボスに武器を渡されていた。持っているのは、「ショートソード」と「バックラー」。初心者が使うような武器だ。
本当なら、俺が昔使ってた「光輝剣ユウキソード」や「暗隕剣バルス」という俺オリジナルの武器を使うのだが、「今の君には絶対無理だから」とばっさりきられた。
”仕方ない”と思いながら武器を持つが、あまり乗り気しない。
そんな俺を心配してか涙が、
「悠は剣で戦うの初めてなんだろ。俺が戦い方を教えてやるよ」
と言ってくるが、
「別にいいよ」
と俺は断ることにする。
「大丈夫なんですかね、これ」と飛鳥は苦笑するしかない。




