第八十九章・テリーの宣戦布告
「へぇ、アタシの親父と会ったんだ!」
「今も飲んでると思うよ、あの人」
「だろうね」
俺とテリーは会場の中で話をしていた。
ここには時計もあるし、誰もこないので、話すのにピッタリだ。
今はアジールさんの話で盛り上がっている。
「俺が「まだまだお酒ありますよ~」って言ったら、起きるし」
「あの親父らしいね」
テリーと会話してから三十分が経過している。
どこにいたのか分からないが、涙が戻ってくる。
「涙。お帰り」
「悠。ただいま」
俺に挨拶した後、涙の見る目が変わる。
その方向にはテリーがいた。
「それであなたは?」
「アタシの名前はテリー・アーカノルド。ユウのマブダチさ。それでアンタは?」
「俺の名前は滝沢涙。マブダチ?どういうことなんだ、悠?」
俺を見る涙の顔が怖い!
「どういうことって…。テリーが勝手に言ってるだけだし…」
「名前で呼ぶ意味も分からないな」
今日の涙には、いつもの温和な雰囲気がない。誰かの精神操作でも受けてるのだろうか?
そんなことを意にも介さず、テリーは、
「何を怒っているのか分からないけど、ユウとの中の良さを見る限りじゃアンタが親友みたいだね」
「悠が話したのか。まあ、そうだな。俺と悠は永遠の親友だ」
「それはどうかな?」
「はぁ?」
テリーは立ち上がり、(涙に)指を向けると、
「アタシがユウの親友になる!アンタには絶対に負けない!!」
涙に宣戦布告をした。
その時の涙の顔は笑ってなかった。




