3話〜忠告(1)〜
俺は、春...。
と言うより梅雨のこの時期に最近転入して来た奴がとても気になる。
もちろん変な意味ではなくてな。
例えばこの前の現文の授業では......。
「じゃあ今日は前回宿題にした教科書百七ページの主人公の男の子の思いを言ってみてくれ。えーっと、じゃあ桜花君言ってみてくれ」
先生が黒板を起動しながらいった。
「はい。分かりません。ですがテストまでには覚えます」
「えっ...」
突然のそのイレギュラーな回答に先生も、生徒達も驚いていた。
だが構わず奴は続ける。
「では、この式の答えは?五番の桜花君!答えて」
「はい、分かりません。ですがテストまでには覚えます」
「はい?」
返事はずっとこれだけだった。
これだけでも頭が終わってやがるが、こいつはこの学校で一番やってはならないことをやりやがった。
それは俺に話かけたことだ。
誰も寄らないし、寄せ付けないのにこいつはスッと近づいた。
「あの〜、宿題教えてください」
理由はともかく、俺はすぐに近づくなと追い返した。
だが毎日毎日きたため、俺は嫌気がさした。なのである行動をとることにした。
ある日の四限が終わり、昼休みになった時だった。
「おい、転入生!ちょい付き合えや」
俺はこの転入生の桜花とかゆう奴に話があった。
「何処に行くのですか?」
「とりあえず来い!」
俺は茂と秀樹も連れて体育倉庫の裏に向かっていた。
道中の廊下では俺を避ける生徒がまた多くなっていて舌打ちをした。
体育倉庫に着くと俺は新入生の胸ぐらを突然掴み、倉庫の壁に叩きつけた。
「これはどうゆうことです...か」
こいつは本当に病院から出たばかりらしく、背中を壁に打ち当てただけで弱った。
「特に意味はねぇよ。けどまぁ、忠告しに来ただけだ」
「忠告、ですか?」
胸ぐらから手を離すと転入生は地面に落ちた。
「忠告その一、午前の授業のように調子に乗るな。忠告その二、俺に二度と近づくな。忠告その三、次からそんなことをやったらただではすまねぇぞ。以上だ」
「それは...ただの脅しですよね」
「なんだと!」
俺はその返事に殴ろうとした。
だがそれを二人が止めた。
「まぁまぁ、落ち着いて」
「ここで問題起こしちゃダメまずいっしょ」
「チッ、それもそうだな」
上げた拳を下げ、一つため息をした。
他にこいつに言う事も無かったので教室に戻ることにした。
「じゃあな」
別に俺はあいつのことを庇ったわけではない。
ただただこの学校での俺の立場や、普通を、常識を教えただけだ。
親切心など微塵もない。
こんにちは深沼バルキです。
今まで書いた中で今作が一番難しいかなぁと思っています。
なぜならジャンルに『恋愛』が入っているからです。これからどう入っていけば良いのやら...。
ここまで読んでくださりありがとうございます。