第8話
なんだろう何かの上にいるような、温かい感触。柔らかい…
それに、レモンのいい匂い
でも何故?ほっぺたが痛いのはなぜ?
亜也の虚ろな目に映ったのは昨日ファミレスで知り合った、確か白石壊都君というヤンキーみたいな少年のはだけた姿であった。
少年は亜也と目が合った瞬間たじろぎ、宙を向いている。
亜也は
そっとその少年の胸に顔を埋めた
少年はひぃっ!と、声をあげた
「っっっ!!てめぇ!!いい加減離れろっ!!」
ガシャン!!
首輪に繋がれた鎖が擦り合わさり音が鳴る。
「うおっ!?」
「鎖?」
手にしていた鎖を凝視して、壊都の首と何回か見たあと事の重大さに気がついた亜也の顔がどんどん赤くなったり、青くなったりし始めた
「いや、これを外して欲しいんだけど??」
壊都が首輪を指差すが
「ごっ!!ごめんなさい!」結構混乱している亜也はただ謝ることしか出来なくて状況は変わることはなかった。
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「で、亜也。これはどうゆう状況?」
亜也は赤面しながらも鎖を右手に掴んでるし、
隣の白石壊都は 疲れ切ってるし、てゆうかその首輪どうした!?
桜姫由紀は 壊都を恨めしそうに見てるし
などだ。ドウシテコウナッタ…状態なのである。
白石壊都は半ば諦めていて、
「はぁ。いくらやっても取れねぇし、後で家の者に言って切断するしかないか、もう謝んなよ。わかったから」
「ごめんね!本当にごめんね!まさか、本当に首輪してるとか!痛いよね?苦しいよね?」
亜也が壊都の首を心配して優しく触れる
「!!!」女慣れしていない壊都が硬直した。
「亜也、いくらなんでもそれは ダメでしょ」
亜也はえっ?っていう顔で加奈子を見た
「この子男子校なんでしょう?多分だけど、あんな可愛いクラスメイトいたら 女慣れしてないと思うのよね、だから多分触られたりしたら硬直しちゃうし、あららユデダコみたい」
「ーーーーーーっ!おいっ!いつまで触れてるつもりだ、はっ離せ」
白石壊都は亜也の手を振り払った
「あんたの家はほとんど男兄弟だものね、全員が全員慣れてるわけじゃないから相手のことも考えないとダメだよ」
「はい…(しゅん)」
振り払った壊都だが、明らかに亜也の頭に犬耳っぽいのが見えるほど落ち込んでいるのが見えて
壊都は普通に亜也の頭を 撫でた 撫でたのだ
「ま、本当に悪いって思ってるみたいだし今回の事は許してやってもいいけど…」
亜也は許してもらえたことが嬉しくて 壊都が赤面し脱兎しようとするまで抱きついていた
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桜姫由紀は目の前で起こってることに唖然としていた。
なぜ?なんで?どうして?コウナッタ?
白石壊都が 大路亜也と何故か横たわっている
なぜ?
確か 聖・マリアズの校門をくぐったとこまでは覚えている、
その後やたら王子様の大路亜也の色香に当たって
放心状態に入ったのだ
その結果が コウナッタ?のか?
壊都は半ばキレ気味に大路のほっぺを叩いている
目が覚めたらしい、大路は壊都をみるなり、赤面して 青ざめて ワタワタしている。
壊都が首輪を外せと 喚いている
壊都は喚き疲れたのか諦めようとしている。
そしてなぜか結果的に折れた壊都が
あろうことか、大路亜也の頭を撫でたのだった
「ちょっ、壊都なにしてーーーー」
割って入ろうとしたとき
大路亜也が壊都にタックルしたのだ。
もちろんのこと 壊都は硬直、みるみるうちにユデダコの様になり 逃げ出した…
ちょっとなに勝手に僕の王子様に触れてるわけ?壊都は違うでしょ?なんで?
桜姫由紀の頭の中はそれだけが渦巻いていた、壊都に対しての憎悪という形で